日本代表の壮行会も終わり、いよいよブラジルW杯本番に向けて最終モード突入という感じだね。27日には、国内最後のテストマッチであるキプロス戦が行われる。

国内での見納めということで、メディアの報道もファンの関心もその一点に注がれている。選ばれし23人の素晴らしいサッカーを、というような煽り方も目立つけど、この試合の意義はまったくそこではないね。

試合のポイントとなるのは「コンディション」。それ以外にないね。コンディションには2つの意味がある。一つは現状の見極め。ケガ明けのキャプテン長谷部をはじめ、同じく負傷からの回復中の内田、吉田、あるいは試合勘に乏しい香川、そして不調に陥っている本田らが、現状どこまでできるのか。このキプロス戦や、合宿に行ってからのテストマッチでの出来次第では、当然のことながら本大会のスタメンが変わってくる。

もうこの23人の中でやるしかないからね。今まで主力を張ってきた選手たちのコンディションを見極めるという意味で、明日の試合は非常に重要な一戦となる。

もう一つは、コンディションの調整だ。やはりこれも上記のメンバーに関わってくるが、試合を通してコンディションを上げる、試合勘を取り戻す作業をしなければならない。交代枠をフルに使って、すべての選手をW杯モードに近づけていかなければならない。そういう意味では、前半と後半で多くの選手が入れ替わるだろうし、そうしなければ意味がない。

良い試合、勝つ試合よりも、選手個々がどれだけコンディションを上げていけるか。そしてそれがチームとしてどの程度計算できるものになるか。注目すべきはそこだけだね。唯一、違った驚きをもたらしてくれる可能性があるのは、大久保だろう。このチームに入ってどれだけのプレーを見せてくれるのか。ここは大いに期待していいのではないかな。コンディションと大久保、この2つを頭に置いて試合を見たいね。