グーグルの革新的な3Dスマートフォン「プロジェクトTango」について知っておきたい5つの特徴

写真拡大 (全3枚)

グーグルの最新プロジェクトは、周囲の空間を立体的に把握する3Dスマートフォン

グーグルが全く新しい形のスマートフォンを作ろうとしている。まるで人間のように周囲の空間を把握し、目の不自由な人のナビゲーションにも役立つようなスマートフォンだ。今のところこのプロジェクトはまだ実験段階で、Android の新バージョンというわけではない。グーグルはこのプロジェクトを「プロジェクト Tango」と名付けている。

「プロジェクト Tango の目標は、モバイル端末に周囲の動きや空間を、人間と同じように理解させることです」と、同プロジェクトのチームリーダー、ジョニー・リーはプロジェクトの紹介動画の中で語っている。

プロジェクト Tango に関する5つのポイントを整理してみよう。

 1.プロジェクト Tango のプロトタイプは5インチ画面のスマートフォン

プロジェクト Tango の目的は現実の世界とデジタルの世界を繋げることだ。人間は視覚情報を通じて周囲の状況を把握する。グーグルはこのスマートフォンのプロトタイプを、これを同じ挙動をするように設計した。

「現在のプロトタイプは5インチ型のスマートフォンです。デバイス自身の動きを3次元で追尾し、空間を立体的に把握します」とリーは述べている。「搭載されたセンサーは毎秒25万以上の3D測定を行うことができるため、リアルタイムでデバイスの居場所や方向を把握するだけでなく、周囲の空間を3Dモデルとして形成します」

2.プロジェクト Tango はAndroid上で動作するが、Android OSではない

プロジェクト Tango のプロトタイプは Android 上で動作する。他アプリとの連携のため、Java と C/C++ の開発用 API も用意されている。デバイスの位置、方向、空間の奥行等の把握にはゲームエンジンの Unity が使われていることが判明している。

 3.プロジェクト Tango はナビゲーション・アプリや拡張現実アプリに革命を起こすかもしれない

デバイスの置かれている空間をリアルタイムに3D化できる端末には、幅広い応用が考えられる。まず思いつくのは屋内のナビゲーションだ。グーグルは今後、ショッピングモール等の建物内をかなり詳細に案内してくれるようになるかもしれない(同社は3Dスマートフォン無しでもすでにこの試みを開始している)。

また、画像や動画にデジタル情報をオーバーレイ表示させるような拡張現実アプリも大きく進化することだろう。現実世界に存在する物をデジタル・ゲームに登場させるといったことも可能かもしれない。

4.プロジェクト Tango の開発キットは数量限定

グーグルは、200台のプロトタイプ・キットをデベロッパーに提供開始しているが、「FCC(米国連邦通信委員会)の規制」によりプロトタイプは現在法人登記されている団体に限られるそうだ(明確な理由は分かっていない)。プロジェクト Tango のサイトから応募できる。

グーグルによれば、開発キットには複数の種類があるようだ。屋内地図用、センサー解析用、ゲーム用などに分かれており、中には「グーグルもまだ思いついていない未知の利用方法」を目的とするものもあるという。グーグルは3月14日までにすべての開発キットをデベロッパーに届けたいと考えている。

5.プロジェクト Tango のパートナー企業は現在16社

このリストには、シリコンバレーのベンチャー企業でセンサーやカメラからのデータ解釈を専門とする Movidius や Bosch、OmniVision、それに Open Source Robotics Foundation も名を連ねている。

画像提供: Google

Dave Smith
[原文]