ソチ五輪、韓国フィギュアスケートは「キム・ヨナだけ」が鮮明に
中国中央テレビ(CCTV)スポーツチャンネルの公式ウェイボー(中国版ツイッター)に掲載された浅田の演技結果に対して、中国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。一部反日感情の盛り上がりに便乗するようなコメントも見られたが、多くは完ぺきな演技を見せられなかった浅田を励ます声だった。
「個人ではぜひ満足のいく演技を見せてほしい」
「トリプルアクセルを跳ばなければ成績がよくなるのに。でも、そこにこだわり続ける彼女が好きなのだ」
そして、ライバルのキム・ヨナの名前を出すユーザーも見られたが、浅田の話題を取り上げているだけあって「ヨナより真央の方が好き」というものだった。
さらには、キムの名前を出して、次のようなコメントを残すユーザーもいた。
「団体で戦える日本は強い。韓国はキム・ヨナがいるだけだ」
韓国が団体戦に出場できなかったことは、おそらく韓国選手だけではなく韓国メディアや韓国のフィギュアスケートファンが一番触れてほしくない部分ではないだろうか。日本そして中国さえも団体戦に出て欧米の強豪国と戦っているのに対して、「フィギュア強国」のイメージが強い韓国にもかかわらず、国際舞台で活躍するトップクラスの選手と呼べるのはキム・ヨナしかいない現状を浮き彫りにしてしまったからだ。
しかも、今大会で引退してしまうという現実。女子の後継者が育たないうえ、男子やペア、アイスダンスも世界レベルの選手が出てこない状況。韓国国内が彼女を「女王」と崇め奉る背景には、こういった状況に対する焦りという部分もあるだろう。
それだけに、キム・ヨナがひとりで背負わされてきた「重圧」は想像をはるかに超えるものだったに違いない。昨年3月にカナダで開催された世界選手権で優勝したキム・ヨナは、優勝することでソチ五輪での「韓国選手出場枠」を確保する目的があったと言われている。「女王」の後継者不足にもっとも危機感を抱いていたのは協会やファンやメディアではなく、キム・ヨナ自身だったのかもしれない。
日本のフィギュア界は男女問わず仲が良く、団体戦のキス・アンド・クライでもはしゃぎ合ったり、励まし合ったりする微笑ましい光景が見られた。良き「ライバル」たちに囲まれた浅田と、孤独であり続けたキム。最後にキス・アンド・クライで笑顔を見せるのはどちらか。(編集担当・今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)Olga Besnard/123RF.COM。写真は2009年10月、フランスのパリで開催されたエリック・ボンパール杯)
