村上春樹新作が年間売上1位に、「色彩を持たない―」は98.5万部。

写真拡大

オリコンは12月2日、ウェブ通販を含む全国書店1,941店舗からの売上データをもとに集計した「オリコン2013年年間“本”ランキング」(集計期間:2012年11月19日〜2013年11月17日)を発表した。総合部門にあたるBOOK部門は、98.5万部を売り上げた、村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」(今年4月発売・文藝春秋)が年間1位を獲得している。

文芸小説による年間1位は、2011年の東川篤哉「謎解きはディナーのあとで」(2010年9月発売)以来2年ぶり。村上春樹にとっては、2009年の「1Q84 BOOK1」(年間売上108.0万部・2009年5月発売)以来4年ぶりの年間1位で、2度目の栄冠は2008年の年間ランキング発表開始以来、全作家を通じ初となった。

「1Q84 BOOK3」(2010年4月発売)以来3年ぶりの長編小説となる同書は、高校時代の友人4人から何の心当たりもないまま絶縁され、心に傷を負った主人公・多崎つくるが、16年の時を経てその傷と向き合い、真相を知るため旅に出るという物語。4月22日付けのオリコン週間“本”ランキングBOOK(総合)部門では、齋藤智裕(水嶋ヒロ)「KAGEROU」以来2年4か月ぶりの週間30万部突破(37.2万部)を果たし、初登場首位に。初ランクインから5週連続で首位となるなど、発売直後からヒットを続けていた。

2位は84.7万部を売り上げた、慶應義塾大学医学部放射線科の医師・近藤誠の「医者に殺されない47の心得」(昨年12月発売・アスコム)、昨年同部門で2位を獲得したタレント・阿川佐和子「聞く力心をひらく35のヒント」(昨年1月発売・文藝春秋)は3位に入り、2年連続でTOP3入り(81.4万部)、書道家・中塚翠涛「30日できれいな字が書けるペン字練習帳」(2009年12月発売・宝島社)は71.9万部で5位に入った。

☆文芸小説が好調 BOOK部門TOP10内に過去最多4作

今年、同部門は前出の村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を始めとして文芸小説が好調なセールスを記録。百田尚樹「海賊とよばれた男」(昨年7月発売・講談社)は上巻が4位に、下巻が8位に、池井戸潤「ロスジェネの逆襲」(昨年6月発売・ダイヤモンド社)は7位と、BOOK(総合)部門TOP10内に過去最多となる4作がランクイン。2009年、村上春樹「1Q84 BOOK1」(年間1位)と「1Q84 BOOK2」(年間3位)、湊かなえ「告白」(年間6位)の3作を上回った。

なお、今年、BOOK(総合)部門におけるミリオン突破作品は昨年に続き「0作」。文庫は昨年の「0作」から「2作」(百田尚樹『永遠の0』&池井戸潤『オレたちバブル入行組』)に、コミックは全11巻が年間で100万部を突破した“進撃の巨人効果”もあり、昨年の「12作」から「23作」に大幅増加した。コミックは2010年の「17作」を上回る、2008年の年間ランキング発表開始以来の最多ミリオンセラー数となった。