北海道のメガソーラーで異変が起こっている!

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太陽光など再生可能エネルギーでつくった電力を電力会社が固定価格で買い取る制度(FIT)が導入されてまもなく1年になるが、メガソーラーの建設が相次いでいる北海道で、つくった電力を買い取ってもらえなくなる可能性が出てきた。

北海道電力の送電網に接続できる容量に限界があるためで、ソフトバンクなどのメガソーラー事業者は計画の見直しを余儀なくされそうだ。

出力2000キロワット以上で「40万キロワット程度」が上限

北海道電力は、全量固定価格買い取り制度(FIT)に伴うメガソーラーによる発電の受け入れについて、出力2000キロワット以上で「40万キロワット程度が限度」と、2013年4月に発表した。

太陽光発電は天候次第で出力が変わる。電力会社は太陽光発電を受け入れることで、火力発電の出力を増減させて電力の需給バランスをとる必要に迫られる。現行で出力2000キロワット以上の事業者をすべて受け入れてしまうと、その需給バランスが崩れて停電が発生する恐れがあるという。

北海道電力によると、国から設備の認定を受けた事業者からの電力の受け入れ申請は87件。出力は合計で156.8万キロワットある。

受け入れは、「現在、申し込み順に交渉中」。2000キロワットの出力を1000キロワット規模の発電に下げたり、個別に蓄電池を設置してもらったりすれば、接続できる可能性があるので、「受け入れできるような道をさぐりながら(交渉を)進めたい」と話している。

一方、北海道安平町と白老町、八雲町の3か所でメガソーラーの建設を計画しているソフトバンクは、「(北海道電力との)具体的な交渉はこれからですが、白老町と安平町の接続についてはすでに合意していると認識しています。ただ、八雲町はまだ建設を決めたわけではありません」と話していて、交渉の中で対応を考えていく方向。

また、苫小牧市と釧路市などの3か所で合計4万4000キロワットのメガソーラーを計画している神戸物産も具体的な交渉はこれからだが、「協議のなかで、変更せざるを得ない計画が出てくる可能性はあります」と話している。

「北海道特有の事情」蓄電池の設置で容量拡大

こうした送電網への接続の問題について、資源エネルギー庁は、「FITは基本的に電力会社に、太陽光発電などでつくられた電力の全量買い取りを求めています。しかし、停電の恐れがあったり変電所の容量がいっぱいになってしまったりするケースでは接続を断ることができます」(新エネルギー対策課)とし、参入事業者はその旨を承知しているはず、という。

また、「(この問題は)広い土地が手に入りやすく、多くのメガソーラーが設置されている北海道特有の事情です」と説明。他の地域では起きていないとしている。

FITが始まったのは2012年7月。再生可能エネルギーの普及に向けて大型投資を呼び込もうと、事業者がもうかるよう、太陽光発電は割高の価格設定とした。メガソーラーは用地が確保できれば、建設期間が比較的短くて済む。しかも、北海道は土地も安く手に入るため、参入が急増した背景がある。

とはいえ、発電所の設置を認めておいて「接続できない」では済まない。資源エネルギー庁は約200億円を投じて、北海道電力の変電所に世界最大級となる容量6万キロワット時程度の大型蓄電池の設置を決めた。

電力の受け入れ容量の拡大を狙うが、設置までには「2年程度かかる」という。