「おおらかやなぁ〜」と、思わず肩の力が抜ける話題が満載の「おおらかべ新聞」。
2013年1月より月刊で、大阪府下の書店やカフェなどあちこちでおおらかに展開中。
見つけたらちょっと得した気持ちになれるかも?

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最近、何かと目にする機会の多いちょっとした失言へのバッシングや揚げ足取り……。間違ってはいないけど、なんだか息苦しいと感じることも。そんなギスギスした世の中に風穴を開けようと、おおらかで笑えるニュースだけを集めた壁新聞が今年1月、大阪で誕生していた。壁新聞というアナログ感もすごいが、取り上げるニュースの脱力感がまたすごい。たとえば、「通り抜け歓迎」と大きく謳いわざわざ近道用の通路を店内につくってしまった本屋さんのことや、自らが営む理容店の上にコツコツ城をつくり大阪城ならぬ「小阪城」と名付けた名物おじさんのことなどなど……。

記事だけでなく、これらのニュースをタナカカツキ、和田ラジヲ、小田島等、ネゴシックスといった人たちが書き下ろしでマンガ化しているというなんとも贅沢なつくり。でも、考えてみたらこの「コネタ」も思わず肩の力が抜けるようなB級、ゆる〜い話題が多いので「おおらかべ新聞」に通じるところがあるかも?
実はこの新聞、発行は吉本興業。編集を手掛けるのは、Re:Sという神戸の編集事務所。編集者の竹内さんにお話を伺ってみたところ、

「第3者の目に触れる可能性のある場所なら、カフェでも居酒屋でもたこ焼き屋でも本屋でもスナックでも銭湯でもボーリング場でも、どこでもいいと考えています。町中にベタベタ貼りまくるのもおおらかではないので、思いがけず目にするくらいがちょうどいいかと。お店には、できるだけ直接持っていくようにしてます。そこでだらだら立ち話してると、いいネタ聞けたりもします」

とのことで、なんとも温かさが感じられるメディアなのである。毎月、ひとつのネタにつき2人の漫画家さんが描いているので、表現の違いを見比べてみるのもおもしろい。月刊ですでに4月号まで発行されてますが、反響などは届いているのでしょうか?

「たとえばホステルだと、泊まっている外国人がおみやげに欲しいという声がよくあるそうです。大阪って書いてあるのがおみやげ向きなのかな。あと、病院や整体のような待ち合いのある場所はとくに好評ですね。はじめるまであまり意識してなかったけど、確かに病院の壁っていろいろ貼ってあるのに、“おおらか”なものはあまりない。“おおらかべ”の出番だと思います」

なるほど、診察の順番を待つ憂鬱なひととき、ふと壁を見ると「おおらかべ新聞」があったら確かに和めそう……。そんなわけで、小学生時代にみんなでつくった「●年●組しんぶん」をちょっと思い出した「おおらかべ新聞」。壁新聞とはメディアの原点であり基本形なのかも?
今後、ネタは「探偵!ナイトスクープ」的に投稿をベースにやれたら、と考えているそう。我こそはというネタをお持ちの人、新聞を自分のお店などに貼ってみたい人なども募集中とのことなので、興味のある人は一度、コンタクトしてみてはいかがでしょう?(野崎泉)

http://osakaolaka.com/

2013年4月27日(土)、大阪の書店、スタンダードブックストアにて
「おおらかべ新聞」公開編集会議(トークショー)を開催。
詳しくはこちら
http://www.standardbookstore.com/archives/66103116.html