森進一、コンサートPRで来台  “台湾の進一”も応援

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(台北 27日 中央社)歌手の森進一が4月28日〜5月1日にかけて台中・台北・台南で行うコンサートのPRできょうまで台湾を訪問、25日には台北市内で記者会見を行い、多くの取材陣や台湾のファンがつめかけた。

2年前にも台湾公演を行っている森は、母の日をひかえての今回のコンサートで「愛」(LOVE)をテーマに、自身の名曲「おふくろさん」で台湾のお母さんたちを祝福したいと述べた。また、台湾で関心の高い故・テレサ・テンとの関係について記者の質問に答え、「妹のような存在でした」と語った森は、合い間を縫って市内・中正紀念堂で開催中のテレサ生誕60年特別展にも足を運び、「何日君再来」(いつの日君帰る)を歌う彼女の映像を見て懐かしがっていた。

台湾で森進一の名前を聞いて連想されるのが、長年バラエティー司会から映画出演までこなし数々の台湾演歌を手がける、歌手・作曲家のマルチ芸人、チェン・チンイー(鄭進一)(57)(=写真左)。森の記者会見には彼も応援に駆けつけた。1960年代以降の日活・東映など日本映画は台湾で大変な人気だったが、小林旭の台北ディナーショーで司会を務めた駆け出し時代の鄭がやっていたのが個性的な声にこぶしをきかせた森の物まね。これが当時評判で、たまたま本名「俊義」の発音にも似ていた「進一」がそのまま芸名になったとその由来を語った。

森進一の女心を歌い上げた曲の数々は台湾でも日本語のまま聞かれ、演歌好きの年配者などはカラオケで歌うことも多い。また、「女のためいき」、「襟裳岬」など中国語や台湾語でカバーされた曲も数多く、中でも「港町ブルース」は1970年代以降テレビ放映された台湾語人形劇(布袋戯)の主題歌「苦海女神龍」として一世を風靡した。

森進一台湾コンサートは、4月28日に台中・中興大学恵孫堂、4月29日〜30日に台北国際会議センター、5月1日に台南文化センターで行われる。