海外でも、同帯域を使っている事業者ばかりではないし、LTEでは2.1GHz帯といったより波長の短い帯域も使われている。

ソフトバンクのプラチナバンドも、現在は3G向けに使われており、LTEの「つながりやすさ」には直接関係しないのだ。

そもそも、「つながりやすさ」とはなんだろうか。

特に問題視されているデータ通信の場合、圏外か圏内か、という場合は端末のアンテナ表示を見れば分かる。

「圏内」表示でデータ通信が快適にできる、というのが「つながりやすい」という状況だろう。

生活者が求めているのも発着信の成功より数分話しても電話が切れずかけ直さなくてすむことではないだろうか。

無線通信の場合、1つの基地局で通信できるユーザーが限られており、同じ基地局にたくさんの人が集まると、通信がしづらくなったり、通信ができなくなったりする。

ほかにも移動中に接続している基地局が切り替わるハンドオーバー時に通信が途切れたり、基地局の電波の届くギリギリのところで電波がしっかり届いていなかったり、いろいろな原因で通信がしづらくなることがある。

これを回避するために、各社は3Gの基地局のLTE化、ハンドオーバーの高速化、接続に最適な基地局を検知する技術、といった技術を導入したり、さまざまなチューニングや基地局設計などを行っている。

無線通信だけに、単純に基地局を多く建てればいいと言うものではないし、電波の容量が多ければいいというわけでもない。

「とりあえず通信できる」という状態を「つながる」と言うのであれば、それは違うと思う。

メールやSNS、Webサイト、ストリーミング動画などを使いたい時に快適に利用できるか、というところを総合的に判断する必要があるだろう。

つまり、単に「つながる」だけでなく、「使える」という観点で検討していくのも必要だろう。

(執筆 : 三谷真)