大谷同様の即渡米組が続出するであろう理由
昨日に引き続き、花巻東高の大谷翔平投手のメジャー挑戦宣言に関連した話題をお届けしたいと思います。
今回の一件の影響として注目されるのは、今後彼のように高校または大学から即、米球界に身を投じる有望株選手は増えていくのか?という点でしょう。
まず、結論から論ずると「イエス」でしょう。
そしてその理由は選手サイドとMLBサイドの両方にあります。
まずは選手側の要因です。
たとえば大谷投手の場合、彼は1994年生まれです。ということは、イチローがマリナーズで首位打者&MVP(付け加えるなら盗塁王)を獲得する鮮烈なメジャーデビューを飾った2001年に、小学1年生だったことになります。
彼が何歳から野球に入れ込みだしたのか私は寡聞にして知りませんが、一般的に小学1年生と言うのは多くの野球少年たちが野球に目覚める年齢です。
要するに、大谷投手世代(おそびその下の年齢層)にとっては、物心ついた頃からメジャーは毎朝テレビを付ければ試合が放映され、夜のニュース番組でもNPBの前に結果が報道される身近な存在だったはずです。
したがって、将来目指すべき憧れはハナっから「NPBではなくメジャー」というのはごく自然なことでしょう。
彼らにとって、メジャーは「NPBとは別の存在」ではなく、「NPBより上にあるもの」だからです。
その意味では、いまだに「何が何でも巨人じゃなきゃヤダ」と頑として主張を変えない東海大学の菅野投手は、いまどきレッドリストに入れて保護すべきくらい貴重な「昭和的」存在です(それとも、巨人に入れないことを理由に渡米してしまうのがホントの狙い?)。
次は、MLB側の要因です。
昨年暮れに締結された労使協定では、従来フリーだった米ドラフト対象外の海外FA選手との契約金総額に上限金額(年間290万ドル)が新たに設定されました(この上限金額を超えた場合は超過額に応じたペナルティーが課せられます)。
この290万ドルという額は、どのくらいのレベルと考えるべきでしょうか。
サイバー系サイトの『FanGraphs』によると、2010年度に海外FA(基本的には中南米の少年たちです)との契約金総額がこの水準を超えたのは全30球団中9球団で、翌2011年も11球団に過ぎないそうです。
しかし、その球団分布はかなり極端のようで、たとえば2011年の場合は最高額がレンジャースの1283万ドルで、最少額はドジャースの18万ドルと相当な開きがあります。
言い換えれば、海外FAに熱心な球団とそうでない球団の入れ込み方にはかなりのギャップがあるのです。
ここに290万ドルというキャップが課せられます。
基本的には、上限の設定は一部球団の「1人勝ち」状態に歯止めを掛けるとともに、多くのいままでそれほど熱心ではなかった球団のこの市場への参入を促すことになるでしょう。
そうすると、必然的にその影響は中南米のみならず日本にも押し寄せ、大谷投手のような「超目玉」的な選手だけでなく、「結構良い選手」(具体的に言えば平均的なドラ1選手)クラスにもメジャーのスカウトが押し寄せるようになると私は見ています。
したがって、すでに多くの識者の方が述べているように、渡米組へ帰国の門を狭める「タザワ・ペナルティー」のみに依存するNPBは益々選手獲得に苦戦を強いらることになるでしょう。
今回の一件の影響として注目されるのは、今後彼のように高校または大学から即、米球界に身を投じる有望株選手は増えていくのか?という点でしょう。
まず、結論から論ずると「イエス」でしょう。
そしてその理由は選手サイドとMLBサイドの両方にあります。
まずは選手側の要因です。
たとえば大谷投手の場合、彼は1994年生まれです。ということは、イチローがマリナーズで首位打者&MVP(付け加えるなら盗塁王)を獲得する鮮烈なメジャーデビューを飾った2001年に、小学1年生だったことになります。
要するに、大谷投手世代(おそびその下の年齢層)にとっては、物心ついた頃からメジャーは毎朝テレビを付ければ試合が放映され、夜のニュース番組でもNPBの前に結果が報道される身近な存在だったはずです。
したがって、将来目指すべき憧れはハナっから「NPBではなくメジャー」というのはごく自然なことでしょう。
彼らにとって、メジャーは「NPBとは別の存在」ではなく、「NPBより上にあるもの」だからです。
その意味では、いまだに「何が何でも巨人じゃなきゃヤダ」と頑として主張を変えない東海大学の菅野投手は、いまどきレッドリストに入れて保護すべきくらい貴重な「昭和的」存在です(それとも、巨人に入れないことを理由に渡米してしまうのがホントの狙い?)。
次は、MLB側の要因です。
昨年暮れに締結された労使協定では、従来フリーだった米ドラフト対象外の海外FA選手との契約金総額に上限金額(年間290万ドル)が新たに設定されました(この上限金額を超えた場合は超過額に応じたペナルティーが課せられます)。
この290万ドルという額は、どのくらいのレベルと考えるべきでしょうか。
サイバー系サイトの『FanGraphs』によると、2010年度に海外FA(基本的には中南米の少年たちです)との契約金総額がこの水準を超えたのは全30球団中9球団で、翌2011年も11球団に過ぎないそうです。
しかし、その球団分布はかなり極端のようで、たとえば2011年の場合は最高額がレンジャースの1283万ドルで、最少額はドジャースの18万ドルと相当な開きがあります。
言い換えれば、海外FAに熱心な球団とそうでない球団の入れ込み方にはかなりのギャップがあるのです。
ここに290万ドルというキャップが課せられます。
基本的には、上限の設定は一部球団の「1人勝ち」状態に歯止めを掛けるとともに、多くのいままでそれほど熱心ではなかった球団のこの市場への参入を促すことになるでしょう。
そうすると、必然的にその影響は中南米のみならず日本にも押し寄せ、大谷投手のような「超目玉」的な選手だけでなく、「結構良い選手」(具体的に言えば平均的なドラ1選手)クラスにもメジャーのスカウトが押し寄せるようになると私は見ています。
したがって、すでに多くの識者の方が述べているように、渡米組へ帰国の門を狭める「タザワ・ペナルティー」のみに依存するNPBは益々選手獲得に苦戦を強いらることになるでしょう。
豊浦彰太郎のMLBブログ Baseball Spoken Here!
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