心に闇を抱えた男たちの大胆不敵な“黄金”強奪計画
日本ミステリー文学界の巨匠高村薫の記念すべきデビュー作を、鬼才・井筒和幸監督が濃密に描き、11月3日より公開となる映画『黄金を抱いて翔べ』では、“魔都”大阪で240億円相当の金塊が眠る銀行をターゲットに、心に闇を抱えた男たちが大胆不敵な強奪計画を実行する。強奪犯を演じるのは、主演の妻夫木聡、浅野忠信、桐谷健太、溝端淳平、東方神起のチャンミン、西田敏行という、演技力と個性豊かな魅力を兼ね備えた豪華顔ぶれだ。計画の発案者・北川は「札束は信用できないが、国家が消滅しても金は残る。永遠にあるんだよ。」と犯行理由を語る。強奪犯たちは鉄壁の要塞から約5トンにも及ぶ金塊を運び出すべく、陽動撹乱作戦として中之島変電所を爆破し、銀行の周囲一帯を停電させる計画を企てる。しかし、その最中で、それぞれに消せない過去と忌まわしい事情を抱える彼らには、様々な問題が重くのしかかるのだった。
犯行グループのメンバーは、過激派や犯罪者相手の調達屋などをしてきた実行犯・幸田（妻夫木）、運送会社のトラック運転手で妻子持ちのリーダー・北川（浅野）、多額の借金を抱える銀行担当システムエンジニア・野田（桐谷）、銀行内部にも通じている元エレベーター技師の相談役“ジイちゃん”（西田）、元・北朝鮮のスパイの爆弾工作員“モモ”（チャンミン）、北川の弟でギャンブル依存症の資材調達係・春樹（溝端）の6人だ。計画遂行のために必要最少限なスペシャリストたちが集結し、抜群のチームワークを発揮していくが、彼らが手を組むのはあくまで“金塊”という共通の目的のため。激情、裏切り、駆引き、陰謀…様々な思惑が交錯する中、完璧だったハズの計画が一つ、また一つと狂い始めていく。永久不滅の輝きは、果たして彼らの心の闇を照らし出すのだろうか。
“JUNONボーイ”の溝端淳平や、韓国No.1アイドルグループ・東方神起のチャンミンなど、イケメン映画と誤解される方もいるかもしれないが、全編を通して描かれているのは、陽の当たらない場所で孤高に生きる男たちの物語。山分けすると一攫千金を手にするとはいえ、彼らには明確な犯行動機が見当たらない。借金返済やギャンブル依存で首が回らなくなったとしても、もっと楽に稼ぐ方法は他にもあったハズだ。20数年ぶりに戻った故郷・大阪で常に暗い表情を浮かべる幸田、妻子の目もはばからず計画を進める北川、裏切り者として祖国から追われた末に豆腐屋で働くモモ、刹那的に自傷行為に走る春樹、老い先短いジイちゃんなど、金欲に駆られた末の行動でないことは確かだ。まるで彼らは自らの運命を試すかのごとく人生を“賭け”、ラストには一つの真実が明かされる。
劇場公開を前に、現在dマーケット VIDEOストアとBeeTVでは、『私が黄金を追う理由〜映画「黄金を抱いて翔べ」スペシャルドラマ〜』を配信中。ドラマでは、平山あや演じる小説家志望のOL・坂下ルカが、“大阪中之島の大火災事故”をモチーフに小説を執筆する。取材のため、同じ小説家志望の飯塚ユウト（木村了）と、出版社の同僚・吉岡朋（石橋杏奈）と共に中之島の銀行を訪れたルカは、不意にある組織によって拉致されてしまうのだった…。『私が黄金を追う理由』は、映画で描かれる金塊強奪作戦の真実を追ったオリジナルミステリー。全5話で構成され、妻夫木聡や浅野忠信など、映画のメインキャストも毎話登場するので見逃せない。ベストセラー小説などを映画化した結果、約2時間の尺では魅力を伝え切れずに結末を迎えてしまう作品は数多いが、スペシャルドラマでは映画の後日譚として、本編では明かされなかった登場人物の素顔を垣間見ることができ、ドラマを観てから映画を観ると、更に楽しみが増すことは言うまでもない。
視聴方法
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