国際オンライン・グループインタビュー全世界MAP(モニター居住地)

写真拡大

「フェイスブック疲れ」という言葉を耳にしたことがあるだろうか。フェイスブック上では、本人が特定されている状態で誰かとつながり合うため、うかつな発言ができないなどの理由から窮屈さを感じ、次第にフェイスブックの利用に消極的になる人が最近増えているという。
今回はいつもと趣を変え、本連載の筆者・武田隆氏が率いるエイベック研究所が2012年に行ったソーシャルメディア利用に関する国際調査の結果をご紹介する。アメリカ、インド、オランダ3カ国の30〜40代男女1000人強を対象に調査を行ったところ、興味深い国民性の違いが垣間見えてきた。

日本の成功は、海外で通用するか

 今回は、私たちが1998年より研究を始め、2003年よりサービス化され、現在200社で利用実績がある、オンライン・グループインタビューという新しい定性調査の手法を、海外に展開した結果を共有します。

 オンライン・グループインタビューとは、インターネット上のシステムを使ったインタビューサービスです。6〜8名ほどの限定的なコミュニティでクローズドな掲示板を共有し、モデレーターが1日1回投げる質問に、各自が答えを書き込む仕組みです。

 オンラインで行うことによって、社会的なしがらみに縛られず、身体的な悩みといった語りにくいことにも本音で答えられ(立場からの自由)、回答はパソコンから行うので、全国どこからでも(場所の自由)24時間365日いつでも(時間の自由)参加できるのです。

国民性が回答を大きく左右する。海外調査にひそむ罠

 今回の調査は、日本市場が縮小し、各企業において世界進出の選択肢が現実味を帯びるなか、この日本での成功を海外に持ち込もうという試みでした。海外市場調査には独特のバイアスがあります。とあるオランダの会社が国際アンケートをとったところ、ブラジル人は極端に「YES」が多く、自国のオランダ人は「NO」の側に偏った回答ばかりだったそうです。

 そうなると、フリーアンサー(自由記述枠)を読み込み、定性的に把握する以外に方法はなくなります。

 そこで、立場・空間・時間の制約を超え、定性的な質を問う調査に強みを発揮するオンライン・グループインタビューなら、これらの問題点を解決できるのではないかと考えました。

 2011年、北京と上海で、スマートフォンの利用実態や機種の購入動機について国際オンライン・グループインタビューを試みました。さらにその後、アメリカ、インド、オランダの3カ国を選び、今度はソーシャルメディアの利用実態について調査を実施しました。

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)