広西チワン族自治区南寧市のカラオケ店で女性客が死亡した。コード式マイクを使っていたところ、感電死したとみられている。これまでに四川省、福建省、海南省などで、同様の事故で客が死亡する事故が発生している。中国の業界関係者も「リスクは存在する」と認めた。中国新聞社が報じた。

 インターネットでの投稿によると、「南寧市のカラオケ店内でマイクを持っていた女子学生が感電した。カラオケ店は、他の客にも影響が出ると主張して、電源をなかなか切らなかった。そのため、感電した女子学生を10分以上も救うことができなかった。女子学生はその後、病院に搬送されたが死亡が確認された」という。

 広西電視台は「インターネット情報が真実と確認できた」として報じた。死亡したのは広西芸術学院の女子学生。同自治区桂林市内の出身で、感電死とみられているという。南寧市警察は「できるだけ早く、メディアに情報を発表する」と表明した。

 カラオケ業界関係者によると、マイクのコードには220ボルトの電圧がかかっている。カラオケ店には事故防止のため、音響装置や床を這(は)うコード類を毎日検査する規則が課せられているが、コードから漏電・感電すれば「人の命を奪うに十分な電流が流れる」危険があるという。

 そのため「カラオケ店のマイクを握って手がしびれたら、漏電していることを意味する。長く握っているべきではない」、「黒いテープで巻いているマイクがあるが、裂けたために内部で電線がむきだしになっている可能性が高い。漏電には特に注意」など、利用者は危険回避の知識を持つべきという。

 中国ではこれまでに四川省、福建省、海南省で、カラオケ店のマイクから漏電して客が死亡する事故が発生している。コード式マイクについては、客の手元近くの部分以外のコードは床にガムテープなどでとめられていることが多いが、「個室の中で大騒ぎしてビールや飲み物を床にこぼす人もいる。女性がハイヒールのかかとでコードを踏むことがある」などと、安全面を心配する客もいる。

 リスクを指摘されながらも、多くの店はコード式マイクを使用している。カラオケ店経営責任者のひとりは、無線マイクを使わない理由を「客が持っていってしまうから。コード付きのマイクは持ち帰りにくい」と説明した。(編集担当:如月隼人)