テレビCMがガンガン流れている携帯ソーシャルゲーム。仲間を増やしていけばいくほど、楽しすぎて抜け出せなくなるのでご注意を

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 グリー、モバゲーなど、この不況下にあって急成長を続けているソーシャルゲーム産業。それを支えているのが、時間とお金を大量に投入している「携帯ゲーム中毒者」の存在だ。

 社会学者の鈴木謙介氏は、携帯ゲームの中毒性の理由として「ゲーム内での人間関係」と「射幸心を煽るシステム」の2点を指摘する。

「前者は、ゲーム内の仲間やほかのユーザーから“承認”を得ると、なかなかやめられないことを指します。後者は、最近になって注目されていますが、わかりやすく言えばギャンブル性がゲームに組み込まれるようになったことです。これはモバイル環境が整い、24時間いつでもゲームができるようになったこととも関係しています」

 そんな中毒者のひとり、人気ゲーム『怪盗ロワイヤル』にどっぷりハマっていたAさん(36歳・求職中)だが、ゲーム内で知り合い、なんでも相談できる“マブダチ”だと思っていた仲間との信頼関係が崩壊したことが、ゲームをやめるきっかけになったという。

「私が9000円も投じたのに倒せなかったボスを、彼は何百回も倒していた。どうやっているのか聞いたら、暗に高額な課金アイテムを要求されて。まあ、友達だから……とあげたら、教えてくれたのはバグを利用してURLを不正に書き換えるズル……。その後も彼からは、ゲーム内で得たレアアイテムを現実の現金で買わないかと持ちかけられたりしたけれど、関係を維持するためにできる限り応じてあげたんです。でも、『家賃を滞納しているから、30万円貸してくれないか』と相談されたときに、やっと私は金づるとしてしか見られていないことに気づきました。親友だと思っていたのに! イヤになってゲームもやめてやりましたよ」(Aさん)

 Bさん(32歳・会社員)も同じ理由で中毒から抜け出している。『怪盗ロワイヤル』に1年以上もハマり、レベルが1000を超えていたBさん。ある日、初心者から「よかったら仲間になってください」との書き込みがあった。

「カワイイ顔文字を使った書き込みに萌えちゃったんですね。『援護するよ』と返事して仲間になってからというもの、課金アイテムをあげたり、バトルで助っ人に入ったりと、気分はタニマチ(笑)。そのたびに『怪盗○×さんのおかげです!』と私を慕うコメントをもらい、気持ちのいい関係を築いていました」

 しかし、そんなタニマチ気分も長くは続かなかった。

「こいつ、ゲームがうまくならないんです……。バトルでも負けっぱなしの助っ人頼み。それで『たまには自分で勝てよ』とブチ切れたら、『ご迷惑をかけました』と謝ってきて、仲間から外してもらった。でも、よくよく考えたら、私のほうから勝手にアイテムを贈り続け、気持ちよくなっていただけ。大事な友達を失ったことで、ゲームをやる気も失せましたね」(Bさん)

 ゲーム内の仲間と友好関係を続けていったほうがよかったのか、それともゲーム中毒から抜け出せてよかったのか、それは本人にしか分からない。

■取材/中野一気(中野エディット)、撮影/関根弘康

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