この腕時計で買い物ができたり、社員証や会員証として使えたりする。

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とにかく、小銭がメンドくさい。財布の中身が、1円単位で増えたり減ったりするのが……。しかし、助かった。何がって、「おサイフケータイ」の登場である。これさえあれば、楽チン。商品をレジに持って行って、そこからはあっという間だ。

しかし、ここからさらにもう一歩進む。もう、財布無しで色々できる時代がやって来ているのだ。大日本印刷(以下「DNP」)と和工が共同開発した『RISNY(リスニー)』は、FeliCaチップ搭載の腕時計。
これで、何と電子マネーによる決済などが行えるとのこと。これからは、買い物時にポケットやバッグから財布を出す手間さえ不要になるわけか。

……と思っていたが、どうやら私が知らなかっただけらしい。実は、『RISNY』以前にもFeliCa搭載のアイテムは続々発表されていたそうで。
「キーホルダー、リストバンドなどFeliCa搭載の製品は、カード以外の形状でも市場に出て来ています。形を変えることで、デザイン性、携帯性が向上し、今までFeliCaカードを利用したことのないユーザー層(女性、高齢者、子供など)の利用拡大を期待しています」(DNP・担当者)

では、今回はどうして“時計”なのか?
「『スポーツやレジャーの際は、財布やカードを持ちたくない』という声は多く寄せられていました。ただ、『リストバンドにするならば、時計機能も欲しい』というニーズも高かったのです」(DNP・担当者)

なんと、特定のリーダライターとの互換性を保証するFeliCa性能検定に認定された腕時計型は、今回が国内初だという。どうやら、今まで腕時計に FeliCaを組み込めなかった理由があるようなのだ。
「時計に使用する金属がFeliCaの通信機能に大きく影響し、通信性能を保持できませんでした」(DNP・担当者)

しかし今回、FeliCaモジュールの性能向上と時計部の仕様検討をした結果、ようやく製品化が実現した。
「FeliCaモジュールのサイズが大きいため、デザイン性を意識しながらFeliCaモジュールを腕時計に組み込める仕様にした点に苦労しました」(DNP・担当者)
FeliCaモジュールを小さくすれば、通信性能が劣ってしまう。その上で通信性能を保持するため、通信確認をしながら開発は進んでいった。

そんな苦労を重ねながら完成した、今回の『RISNY』。この腕時計では、どんな用途が可能になるのだろう?
「『RISNY』に組み込まれているFeliCaモジュールのICチップは、既存のFeliCa カードと同様のものです。そのため、カードで実現されているアプリケーション(電子マネー機能)などが塔載可能です」
考え方としては、こうだ。DNPでは、企業等から依頼された内容のアプリケーション(電子マネー機能)を発行して提供をする。今回は、共同開発を行った「和工」の意向によってEdyを時計に塔載し、和工から“Edy塔載時計”が販売される。……という流れ。

勿論、他のアプリケーションの依頼を受ければ、発行して提供してくれる(Suicaなどの交通系アプリケーションは不可)。
「社員証や会員証用途として各企業様からアプリケーションの要望を受け、発行し提供いたします」(担当者)

今回の『RISNY』は、ウェブサイトや時計販売店、量販店等にて12月中の販売開始が予定されており、事前に先行予約販売も行われるという。

どうでしょう。この新しい腕時計、新しモノ好きには見逃せない! そして、“情弱”と自覚している私も見逃したくない!! これを身に付け、フラッと街にくり出す。そして、スマートに街を闊歩。ドンドン、未来になってきているな……。
(寺西ジャジューカ)