ツイッターで犯罪行為を告白するなど不用意な発言をして「炎上」するケースが相次いでいる。いったん情報が流れてしまうと真偽にかかわらず批判や中傷が殺到し、名前や住所、顔写真までもがネットにさらされてしまうことまである。

 実際に犯罪行為を犯したとすれば批判も仕方のないことかもしれないが、ただ「気に入らないから」といった理由や、不確かな情報を元に一方的に他人を罵倒するケースも頻出している。映画評論家の町山智浩氏は、こうした罵詈雑言には毅然と対処すべきだとして、「ツイッターは弱肉強食の世界。(頭の)弱き者は去れ!」と語る。

「ツイッターでは有名な大先生が差別的なことを口走ったり、理解していないことを知ったかでつぶやいて方々から突っ込まれたりと散々な目に遭ってますよね。私も実際に、ある人物をからかって追い込んだことがあります。ヤツの発言の矛盾をどんどん突いたら、苦しい言い訳を重ねて自ら傷口を広げ、おまけに民族差別を含む汚い言葉で私を罵倒して品位のなさをさらけ出したんです」

 かなり戦闘的な対処法だが、こうしたことにより「バカなヤツが淘汰される」と町山氏は言う。

「権威ある人にとって、ツイッターは脅威。例えば、書籍では中途半端なことを書いてもファンしか読まないから批判されることもなかったんですけど、ツイッターで何かつぶやいたら、非ファンもそれを見て検証する。いいかげんなことを書いたらバレてしまうんです。まぁ、ツイッターで失敗する人はもともとバカ。だから自分に自信のない人は参戦するべきではない」(町山氏)

 プロインタビュアーの吉田豪氏も、ツイッターでの「戦闘力」の重要性をこう指摘する。

「ボクはともかく、著名人はトンデモさんから煽(あお)りツイートが飛んでくるコトが多いんですよ。ブログでは書き手とコメント欄とで垣根がありましたけど、ツイッターは完全に同じ土俵での戦い。なので、ツイッター上の煽り耐性がないタレントさんなどは、ヘンな絡まれ方をしたときにうまく対応できないのが露骨に現れる。普段から虐(しいた)げられたり、路上で絡まれたりすることの多い有吉(弘行)さんとか山里(亮太)さんは、そのへんの対応がうまい。そういう“力の差”が見えてしまうのも、またツイッターの面白さでもあり、怖さでもありますよね」

 ツイッターはオープンな場である以上、現実の世界と同じように“煽り”への対処力が試されるということだ。

(取材/コバタカヒト)

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