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次回のパリ滞在の際に、ぜひ立ち寄っていただきたいのが、オペラ座内のレストランL’Opera。6月末日にオープンしたばかりである。19世紀半ばに、シャルル・ガル二エの構想案にもレストラン設計は謳われ、70年代と90年代にも試みはあったものの、1世紀以上の時を経て願いはようやく叶った。
設計を担当したのは、フランスを代表する女性建築家Odile Decq(オディール・デック)で、世界有数のコンペにも優勝し、近年ではローマ現代美術館MACROも設計したばかりだ。2003年にはフランス政府からレジオンドノール賞を受賞している。

写真:©Roland Halbe

石造りの厳格な建築外観を中傷しないように、軽やかなタッチの曲線ガラスで壁面を描いている。とりわけ相伝文化財として扱われている建築の改装や増築に、厳しい基準法が伴うので、優美な曲線壁面に見えるものの、躯体には触れずに自立型の構造である。地震国ではありえない事例であろう。室内のドーム状の天井を開放させる空間には、真っ白な曲線状のメザニンが雲のように浮かぶ。これも、ピロティー式で支えているので躯体に依存していない。生命力を強調する赤が、家具に取り入れられている。レストランのシェフには、Christophe Aribert(クリストフ・アリベール)が選ばれた。伝統と現代性を共存させるという料理をいただいてみたい。

www.operarestaurant.fr

(取材・文 Kaoru URATA)

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