多忙なレストランのシェフに聞く、「無駄なく仕事を進めるコツ」

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どんな仕事にも、めまぐるしく忙しい時間帯はあるもの。そんなときは少しでも効率よく動いて、仕事の手間を最小限にとどめたいですよね。とはいえ、慌ただしいなかではそれも簡単ではありません。一体どうしたら効率良く動けるのでしょうか。誰か教えて!

今回のちょいたつ(ちょい達人の略)は、新宿のフランス料理店でシェフを務める古田さん(仮名)。週末になると、予約だけで満席になるという人気店で働いている古田さんなら、どんなに忙しくても効率よく動くための秘訣を知っているはず!

古田さん、どんな状況でも無駄なく動くためのポイントを教えてください。

「はい、分かりました。私が思うポイントは、準備、分析、分担の3つです。この3つを意識できれば、動き方も変わってくるのではないでしょうか」

■もっとも忙しい状況をシミュレーションして“準備”する
「基本的なことですが、一番大切なのは“準備”。なかでも重要なのはその日の仕事の流れを自分で“把握”しておくことです。どんな予約が何時に入っているのか、どの食材・道具がどこにあるのか。その日の流れをシミュレーションしながら、いろいろな事態に備えて、何がどこにあるのか頭の中に入れておくことがポイントです。そのとき心がけるのは、もっとも忙しい事態を想定しておくこと。今まで経験した最悪の状況を頭に思い浮かべながら、どんな準備が必要かを常に把握して、行うことが重要です」

確かに、どこに何があるか把握しておくことで、最初の動き出しは大きく変わりそうですね。スケジュール管理や資料の置き場などは、他の仕事でもすぐ応用できそうです。では2番目の秘訣は?

■忙しいときこそ一度立ち止まって“分析”する
「自分のやるべきことが立てこんだときこそ、深呼吸しながら一度立ち止まってみてください。その際に分析すべきことは2つあります」

・今、自分がやるべきことをすべて頭の中に浮かべて、優先すべき仕事はどれか、もしくは、すぐに片付きそうな仕事はどれなのか考える
・一度周囲を見回して同僚の動きを確認し、任せられそうな仕事はお願いする

「忙しくなると、一刻も早く仕事に取り掛かろうと、すべてに急ぎがちになりますが、あえて立ち止まって上記2つの項目を考えてみてください。特に周囲を見回すのは大切で、いかに自分以外の人に的確に仕事を振れるかが、効率よく仕事をするポイントだと思います」

一人で出来る仕事量にはどうしても限界があるもの。いかに仕事を振れるかも、無駄なく仕事を進めるには重要なのですね。

■それぞれの担当、持ち場を明確に“分担”しておく
「2つ目のポイントとも通じてくるのですが、事前に同僚たちと持ち場・担当を決めておくことも重要です。何かの仕事が舞い込んだときに“それを誰がやるのか”すぐに全員が答えられるような環境を作っておくこと。その意識を全員でしっかりと共有できていれば、他の人と動きがかぶってしまったり、その仕事を自分がどこまでやるべきなのか分からず、中途半端になってしまう、というケースを防げると思います」

どんな職場でも“これって誰が担当するの?”と悩んでしまう状況があるはず。事前に担当が明確になっていれば、スムーズに仕事へと取り掛かれますよね。

■ひとことアドバイス
「今やるべきことだけでなく、次にやるべきことまで頭の中に入れておくようクセをつけると、自然に無駄のない動きができてくるはずですよ」

忙しいときこそ落ち着いて先を見ること。簡単なことではありませんが、でも心がけなきゃ何も変わらない!ということですね。「自分は要領が悪いのかも……」なんて落ち込んでいる人は、ぜひ実践してみてくださいね。

(河合力+プレスラボ)



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