2ちゃんねる人間交差点
皆さん、はじめまして!この度、インターネット上に存在する巨大掲示板・2ちゃんねるにまつわる悲喜こもごものエッセイを連載させて戴くことになりましたMr.jikkyoと申します。どうぞ宜しくお願いします。
さて、ご存知の方も多いと思われますが「2ちゃんねる」とは、ありとあらゆる話題について意見が書き込まれるインターネット掲示板のサービスです。
総合商社が「ラーメンからミサイルまで」というキャッチフレーズを使ったのに対して、2ちゃんねるでは「ハッキングから今晩のおかずまで」というキャッチフレーズを用いて活動しています。ちなみに、2ちゃんねるの利用者は「2ちゃんねらー」と呼ばれています。今後私のエッセイでは多く登場しますので、2ちゃんねるをご存知でない方はどうぞご認識を。

第1回となります今回は、2ちゃんねる上に溢れる偽情報についてお話ししたいと思います。

皆さんの中には
「2ちゃんねるというサイトは物騒で怖そうだから、近付きたくない」
という方も多いことでしょう。

そのようなイメージが広まった理由は幾つもありますが、その中に
『嘘が書き込まれているから』
というものが挙げられるかと思います。

そこで本稿では、2ちゃんねる上に溢れる偽情報について考えてみたいと思います。

2ちゃんねる上に書き込まれる偽情報は以下の種類に分類することができます。

●その1:勘違い
人間誰しも間違いはあります。これは2ちゃんねるに限ったことではありません。
勘違いというものは、確かに悪意は含まれませんが、周囲に迷惑をかける虞があるのは事実です。

●その2:釣り・バーボンハウス
釣り・バーボンハウスとは、掲示板に偽のニュースの見出しとリンクを貼り付ける行為です。
それを見た人は、ニュースを見て驚き、リンクをクリックするでしょう。
すると、リンク先で、先程のニュースは嘘であったと白状する仕組みです。
これは完全な愉快犯であり、うっかり騙された人も一瞬にしてニュースが嘘であったことを知るので、全くの無害と言えるでしょう。

●その3:偏った情報
これは、嘘ではないけれども、自分に都合がいいような事実しか記さず、かなり偏ったものの見方を書く行為です。
情報の対象は投稿者が嫌う国、人物、団体であることが多いと思われます。
これをうっかり信じてしまうと危険な場合もありますので、閲覧する場合には特に注意してかかってください。

●その4:意図的に流された偽情報
これは、書き込み者が悪意を持って、閲覧者を騙そうとして投稿する嘘の書き込みです。
いわゆる世間一般に言う偽情報とはこれのことでしょう。
2ちゃんねるは、不特定多数の人が出入りするが故に、こうした偽情報が書き込まれるのです。


次に、偽情報に対する2ちゃんねらーの典型的な反応を見てみましょう。

●その1:ソースの提示の要求
もし、情報の元となった出版物や、リンク先が表示されていない場合、2ちゃんねらーは必ず「ソースを出せ」と要求します。
ソースのない情報を鵜呑みにする2ちゃんねらーは皆無です。 

かつて国会議員の永田氏という人物が偽の電子メールを国会で取り上げた際、これを報じるワイドショーの中で、コメンテーターが「まるで2ちゃんねるのようだ」と指摘したことがありました。

これに対し、2ちゃんねらーは一斉に反撥しました。
曰く「2ちゃんねらーの中にはくだんの電子メールのような得体の知れない物を真に受ける者はいない」というのです。
更に「2ちゃんねる上に書き込まれる情報については、ソースを読んで自分でその情報について判断する」と主張したのです。
2ちゃんねらーは、怪しげな情報についてはこのような態度をとっているので、偽情報に惑わされることは考えにくいと言えるでしょう。

●その2:間違いの指摘
2ちゃんねらーは間違いを指摘するのが実に早い。もし誰かが勘違いをして間違ったことを書き込むと、すかさず他の誰かが間違いを指摘します。

そしてこれは、意図的な偽情報に対しても同様です。

実例を挙げましょう。
或る時、「中国軍、沖縄に侵攻」という偽ニュースのリンクが貼られたことがありました。
しかし、そのニュースはすぐに偽物であることが見破られました。
その偽ニュースの記事中には「F15戦闘機が沖縄から出撃した」と書いてあったのですが、当時、F15戦闘機は沖縄には配備されていなかったからです。

一般人なら見過ごしてしまうところでしょうが、2ちゃんねらーはこの点に素早く気付き、嘘を見破ったのです。

つまりどういうことかと言うと、2ちゃんねるは『不特定多数の人が出入りするが故に偽情報が書き込まれます』が、同時に『不特定多数の人が出入りするが故に偽情報をすぐに見破る人が出現する』ということです。 

『不特定多数』の人間が出入りする場だからこそ、この真偽両方を併せ持った現象に、2ちゃんねるの特徴が表れていると言えるでしょう。

これは2ちゃんねるに限ったことではありませんが、我々はニュースや新聞など他人から与えられる何らかの手段をもって情報を得た場合、全て無批判に真に受けるのではなく、「自分の頭で考え、自分の力で調べ」てこれらメディアに接していく姿勢が大切だと言えるでしょう。

■ライター紹介
【Mr.jikkyo】

2003年から2ちゃんねるを見続けている2ちゃんねらー。
主に実況chというカテゴリーに生息しています。2ちゃんねるを利用しない方にもお楽しみ戴けるエッセイを目指します!

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