1月16日、キッズステーションは1月24日から放送予定だったアニメ『ヘタリア Axis Powers』の放送中止を発表した。公式ホームページでは、その理由を「諸般の事情」としているが、その真相とは?


マンガ、ゲーム、声優ファンの間でじわじわと知名度をあげ、2008年の冬のコミックマーケットではブーススペースに黒山のひとだかりを見せていた『ヘタリア』。原作は日丸屋秀和によりインターネット上で掲載されたマンガで、単行本の売上げは50万部以上といわれている。前述した通り二次創作もさかんな人気作品で、1月24日からはケーブルテレビのアニメチャンネル、キッズステーションでアニメ版『ヘタリア Axsis Powers』を放映開始予定だったが、1月16日、キッズステーションはホームページ上でアニメの放送を中止することを発表した。

『ヘタリア』は、第一次世界大戦から第二次世界大戦を時代背景に、20カ国以上の国の風土や国民性をステレオタイプに擬人化し、愉快なキャラクターがドタバタと繰り広げる歴史コメディある。作品自体は、陽気で人懐っこいが臆病で泣き虫の「イタリア」、生真面目で融通が効かない苦労性の「ドイツ」、温厚で空気を読む「日本」というキャラクターを中心にした、ほのぼのと明るく暢気な雰囲気のギャグマンガだが、戦争や歴史、国を軽妙に扱う点で不快感を示す人も多くいたようだ。

1月13日のYOMIURI ONLINEによると、「物語の一部に「韓国人を侮辱する内容」が含まれているため、韓国のネット愛好家の間では放送中止を求める運動が広まっており、あるポータルサイトでは12日時点で、1万人を超える署名が集まっているという」と伝えられている。当初、キッズステーション側は「韓国での批判は知らなかった。ただ、アニメ版には韓国キャラクターは登場しない」としていたが、今回の放送中止決定は、以上のような反発を受けての対処ではないかと推測される。

タイトル『ヘタリア』の語源は、根性なしを意味する「ヘタレ」と「イタリア」を組み合わせたもので、大きな反発を買うのならイタリアが先だろうと考えていたが、思わぬ所から待ったがかかってしまった。テレビでアニメ作品に触れる機会が失われてしまったことは残念だが、今回の騒動でより多くの注目が『ヘタリア』に集まったのは確かだ。気になる人はマンガやドラマCD、携帯・ブロードバンドでのアニメ配信を通して作品の面白さや問題点を自分なりに感じてみてはいかがだろうか。
(編集部 上林 晃子)
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【参照】
ヘタリア Axsis Powers 公式
キッズステーション
YOMIURI ONLINE