8日のチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝第2戦でリバプールに4−2で敗れ、準決勝進出を果たせなかったアーセナルのベンゲル監督が試合後、「失望感とともに不公平だという思いを抱いている。サッカーには、納得いかない気持ちを飲み込まなければいけないときもある」とレキップ紙に無念の思いを語った。

 ベンゲル監督は明暗を分けた後半40分のペナルティーについて、「疑惑の判定だ。あれはペナルティーではなかったと思う。そして先週(ホームでの第1戦)は、こちらが得るはずのペナルティーが認められなかった」と不運を嘆いた。

 監督は敗戦後のアーセナル控え室の様子を「打ちひしがれていた」と明かす。「2週間にわたって、失望に次ぐ失望。これはつらい。自分たちより力が上のチームが相手なら仕方がない。しかしこの2試合を終えた印象からすると、4−2という結果は戦いぶりを反映していない」と審判の判定に左右された試合結果に悔しさをにじませた。

 しかし審判の判定に怒りをぶつけるだけで終わらないのはやはりベンゲル流。大きな一戦をモノにできない根本的な原因を若いチームゆえの「成熟度の不足」と冷静に分析した。「トータルでは我々のほうがリバプールより多くのチャンスをつくった。しかし我々はナイーブすぎた。決定的なところで経験不足が出た。チームの精神力は見事だったが、背後で大きな過ちを犯した。このチームは才能と潜在力に恵まれてはいるが、ときに成熟度に欠けているところがある」と語っている。

 監督の見方は、主将のギャラスも共有している。「我々には明らかに成熟度が欠けていた。(準決勝進出に導く)同点ゴールの直後というときにペナルティーを招くような状況をつくるべきではなかった」と反省する。本音はもちろん「ビデオを見直したが、主審は明らかに判定を誤った」という言葉にあるのだろうが、「今後のために改善すべきところがある」と締めくくったギャラス。チームをさらに強くするために、名指揮官の下で若手を叱咤激励する役割をあらためて自認したようだ。

ウィリアム・ギャラス(William Gallas)


生年月日:1977/08/17
所属   :アーセナル
国籍   :フランス
ポジション:DF