カンテラ出身の選手か、それとも他のクラブからの選手獲得か。27日に行われたイタリアとの親善試合にルベン・デ・ラ・レッド(ヘタフェ)とアルバロ・アルベロア(リバプール)が招集されたことで、レアル・マドリーに論争が持ち上がっている。2選手ともにレアル・マドリーのカンテラ出身だが、トップチームデビュー後は出場チャンスもほとんどなく、移籍。そして、それぞれのクラブでの活躍が認められ、スペイン代表に招集されるまでになっている。

 レアル・マドリー生え抜きの一人である守護神イーケル・カシージャスが、「アルベロアやデ・ラ・レッドにもガゴやイグアインやマルセロと同じようなチャンスが与えられていたら、チームに残っていたと思うよ。でも、カンテラ出身の選手が残ることはこのクラブでは難しいんだ」とコメントしているようにカンテラ出身の選手がトップチームに残るチャンスは非常に少ない。

 レアル・マドリーは、総額1億2000万ユーロ(約188億円)という大金をかけてドュデク、エインセ、メツェルダー、ぺぺ、マルセロ、スナイデル、ディアラ、ガゴ、ドレンテ、サビオラ、イグアインを獲得する一方で、ディエゴ・ロペス、アルベロア、メヒア、パレデス、フアンフラン、グラネロ、デ・ラ・レッド、マタ、ネグレド(ネグレドはレンタル移籍中)ら多くのカンテラ出身の選手を格安の移籍金で放出している。獲得した選手の半数以上はそのパフォーマンスに疑問符がつき、移籍していった選手はそれぞれのチームで活躍している。

 育てた選手が移籍先で活躍し、代表に選ばれるというのも何とも皮肉な話ではあるが、レアル・マドリーではカンテラ出身の選手のトップチームに残ることは非常に難しい。カンテラ出身の選手よりも他のクラブからの選手獲得を優先しているというのが現状だ。クラブの方針もあるだろうが、移籍金のかからないカンテラ出身の選手にチャンスを与えていくこともクラブにとって重要なことだろう。

(スペイン通信)