28日のパリ・サンジェルマン戦(第12節)では、4試合連続の得点を逃したカリム・ベンゼマ。11得点で足踏みとなり、4試合ぶりにゴール数が試合数より少なくなった。

 しかしこの試合でも、再三にわたる華麗な足技でスタジアムをどよめかせた。ドリブルで相手を抜き去ってシュートを放ち、あわやゴールという場面が2度。1本目はフランス代表ゴールキーパーのランドローが辛うじて指先で触れ、ゴールポストに弾かれた。2本目はハーフライン付近から相手ディフェンスを次々と振り切って放ったシュート。ランドローが再び好セーブを見せたが、こぼれ球がベン・アルファの得点につながった。

 いずれもスピードはさほど感じさせず、たとえばロビーニョ(レアル・マドリー)のような派手なステップはないものの、足に貼り付いたように見えるボールが面白いようにディフェンスの間を抜けていく。相手の動きに合わせてコースを自在に変えるドリブルや、ワントラップで相手の裏をかく動作には、フランスの解説者らがこぞって「ジダンを思い出さずにはいられない」と感嘆の声をあげる。

 そのジダンが所属したレアル・マドリーから注目されているという報道について、ベンゼマは試合後、“フットボール365”に「このようなビッグクラブに関心をもたれるのはうれしい。でも僕はまだ若いし、リヨンでやるべきことがたくさん残っている。そのあとで、どうするか考えればいい。そうなるには時間がかかるだろうが、まずは自分のプレーを充実させないと」と控えめに語った。