28日に行われたリーグ・アン第12節、リヨンがパリ・サンジェルマン(PSG)を3―2で下し、2位のナンシー(1試合未消化)に4ポイント差をつけて首位の座を固めた。

 この試合のスタメンは、20歳以下の選手が両チーム合わせて6人と、若手の起用が目立つ顔触れとなった。PSGのル・グエン監督は、論議を呼んだ前節同様、17歳の主将サコをはじめとして20歳以下の選手4人を先発で起用。一方のリヨンも、ここ数週間、絶妙のコンビネーションで世界から注目を集めるベンゼマ(19歳)とベン・アルファ(20歳)がスタメンで出場した。

 若手対決の様相を呈した一戦は、代表メンバーにも名を連ねるリヨンの攻撃コンビがテクニックをいかんなく発揮してチャンスを作り出し、前半の終わりに2得点を叩き出した(いずれもベン・アルファのゴール)。

 PSGは後半13分、エンゴイ(19歳)に替えて投入したパウレタ(34歳)のゴールで1点を返したものの、後半40分ゴブーに追加点を許した。パウレタはロスタイムにも得点しベテランの意地を見せたが、時すでに遅し。PSGは本拠地パルク・デ・プランスで今シーズン4敗目を喫した。これでホームの戦績は今季7戦して4敗3引き分け。本拠地で勝てない状況は「パルク症候群」と形容され、精神面でPSGに重苦しくのしかかっている。

 ル・グエン監督が17歳のサコをキャプテンに起用して若手中心の布陣を組んだのも、この状況を打開する起爆剤にしたいと考えてのことだった。リヨンがベンゼマとベン・アルファの活躍で本調子を取り戻しているのに対し、PSGの若手にはまだまだ役不足の感は否めず、ベテランのパウレタがひとり気を吐いたのはやや皮肉な結果となった。ただし、パウレタの復活が若手起用の刺激を受けてのものだとしたら、ル・グエン監督の“作戦”も功を奏したことにはなる。