アーセナルとの対戦を28日に控えたリバプールのラファエル・ベニテス監督は、自らの去就について「結果を出すには時間がかかる」と語り、拙速な判断を下さぬようクラブ首脳陣に求めた。

 24日に行なわれたチャンピオンズ・リーグのベシクタシュ戦に1-2で敗れたリバプールは、勝点1でグループ最下位に沈んでいる。プレミアリーグではいまだ無敗ながら、公式戦ここ5試合でわずか2勝とシーズン当初の勢いは完全に失われている。スペイン代表のFWフェルナンド・トーレスなど、大型補強を敢行して臨んだシーズンだけに、解任の噂など日に日に風当たりが強まりつつあるベニテス。しかし、「プレッシャーは感じていない」と言うスペイン人監督は、ライバルのアーセナルを例に挙げ、チームの熟成には時間がかかると語り、クラブ首脳陣に理解を求めた。

「ベシクタシュ戦では勝利が求められていた。だから、敗戦に対する何らかのリアクションは予想していた。しかし、結局は全力を尽くして戦うしかないんだ。結果を出すには時間がかかることを理解してもらわなければならない。若くて能力の高い選手を獲得しても、彼らの実力を発揮させるには時間がかかる。(アーセナルの)アーセン・ベンゲルは若手中心のチームで3年ほど戦い続けた。だからこそ、その結果が今シーズンの好調ぶりに表われている。我々も目指すところは同じだ。今シーズンは若手を多く獲得したのだから、結果が出るまで少し時間をかける必要がある」

 リバプールの会長を共同で務めるジョージ・ジレットとトム・ヒックスは、ベニテスの続投を支持していると伝えられている。しかし、現在の不調が続けば、その去就にも暗雲が立ち込めてくるだけに、週末のアーセナル戦では何としてでも勝利が欲しいところだ。この一戦について、「敗戦の後にトップクラブと対戦する場合、選手はいつも以上のモチベーションで試合に臨むことが多い」と選手の奮起に期待するベニテス。シーズン前半の山場を乗り切ることが出来るだろうか?