チャンピオンズリーグ(CL)グループリーグA組の首位に立つマルセイユ。24日のポルトー戦は1−1で引き分け、ベスト16進出に向け一歩前進した。

 シーズン途中に就任したゲレツ監督は、レキップ紙に「勝利に値するゲームではなかった。この試合での勝ち点1は貴重なポイント。結果には満足している」と語り、終始押され気味だった試合を引き分けに持ち込めたことの意義を強調した。

 フランスの各メディアがこの試合のヒーローに挙げたのはマルセイユのGKマンダンダ。ゲレツ監督は「誰がヒーローというわけではない。チームプレーが結果に表れた」としているが、相手チームのフェレイラ監督は「我々には多くのチャンスがあった。引き分けという結果は不公平。しかしマルセイユのゴールキーパーは非常によかった」と22歳の若い守護神を称えている。

 マンダンダは今シーズン前に2部のル・アーブルからマルセイユに移籍し、リーグ・アンでデビューしたばかり。負傷で長期離脱を迫られた正GKのカラソに代わって起用されている。今大会がCL初体験となるが、これまで3試合でわずか1失点と大舞台でも臆するところがない。昨年までフランスのU-21代表で正GKを務めてきた。シーズン前には、パルマやアストンビラも獲得を狙っていた。

 「フットボール365」のインタビューに応じたマンダンダは、ポルトー戦でのペナルティーによる失点を振り返って、「ペナルティーは避けることもできたはず。自分をはじめとして、チーム全員に集中力の点でミスがあった」と悔やんだ。ゲレツ監督は「ポジショニングのミス」と指摘している。これについてマンダンダは「たしかにそうだろう。もしもっと早く相手に詰めていれば失点は避けられ、1−0で勝っていた。監督の指摘で気分を害することはない。なぜなら批判が僕を成長させるから」と冷静に語った。

 カナル・プリュス局のスタジオにゲスト出演した元フランス代表主将のマルセル・デサイー氏も「驚くほど成熟している」と舌を巻くマンダンダ。このままいけば、カラソがケガから復帰しても出番を失う可能性がある。将来のフランス代表GKとしても期待が高まる選手だ。