脳科学者の茂木健一郎氏が自身のYouTubeチャンネルで「いつも自分が底辺だと感じてきたし、今も感じている。」を公開した。動画全体を通じて、自身が常に「最底辺」にいるという感覚を持つことの意義や、目標に向かって伸びしろを感じ続ける人生の豊かさについて語っている。

茂木氏は動画の冒頭で、人間は成長して社会的地位やスキルを身につけると、他人に依存してマウンティングしたり、居心地の良さを感じたりして安定しがちだと指摘。しかし自身はそうした安定を求めず、「常に自分が一番底辺にいるという感覚」を大切にしていると明かした。

具体的な事例として、自身の英語力について言及した。学生時代の英語の成績は非常に良く、英検1級や国連英検特A級といった最高位の資格も取得していると振り返る。それでもなお、英語に関しては常に最底辺だと感じているという。現在、作家ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』を原書で読んでいることに触れ、そのすさまじい言語表現を前に「俺、最底辺だ」と痛感していると語った。

茂木氏にとって最底辺にいるという感覚は、「伸びしろがある」ことを意味する。他者からどう見えようと、「自分の見え方として最底辺だと思えることが幸せ」であると力説した。さらに、映画作りや漫画制作などを例に挙げ、自分の行きたい場所と現在地との距離を常に感じられる生き方の重要性を主張。ある場所に辿り着いてもそこを安住の地だと思わず、次への目的があると感じられる人生を推奨している。

最後に茂木氏は、「満足したら幸せなのかというとそうではない」と述べ、目の前のことに一生懸命取り組む「フロー」の喜びこそが生きがいであるとまとめた。今の自分が底辺であり、本当の居場所がまだ先にあると思っていても精神衛生上は悪くないとし、次なる目的地を感じながら歩み続ける人生の価値を語った。

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