80歳が、かつての60歳に見える ディラン、マッカートニーらが繰り広げる圧巻のライブ
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ボブ・ディラン、ニール・ヤング、ジョージ・クリントン、ポール・マッカートニー。彼らにとって音楽は身体に染みついたものであり、ステージに立たずにはいられない。2020年代に入ってもツアーで輝き続けているのは、そこが最も自分らしくいられる場所だからだ。来年に備えて力を温存することなく、毎回すべてを出し切っている。声のかすれや顔のしわを隠そうとする時期は、とうに過ぎた。そんなことを気にするのは若いうちだけだ。彼らはむしろ、長年の経験を刻んだ80代の声を、誇らしげに響かせている。
ジョージ・クリントンは昨年、Pファンクの魅力を伝えるツアーを続けた。2026年の公演では、ステージに着陸させる宇宙船型の舞台装置「マザーシップ」を新たに製作している。オリジナルは現在、スミソニアン博物館に収蔵されているからだ。2018年にツアー活動に区切りをつけたポール・サイモンは、その後、聴力の低下にも直面したが、2025年にツアー復帰を果たした。新しい技術によって、ようやく自分の声や演奏を再び聴き取れるようになったという。復帰後のライブは、実に感動的だ。中心に据えているのは、自身が深い思い入れを持つ近年の作品、2023年のアルバム『Seven Psalms』。往年のヒット曲だけを並べるよりも、今の彼にとって大切な音楽を演奏することに、大きな意味がある。一方で、「Rene and Georgette Magritte with Their Dog After the War」のような80年代の隠れた名曲を、新たな解釈で聴かせる場面にも胸を打たれる。この曲の発表から現在までに流れた時間は、第二次世界大戦からこの曲が生まれるまでの年月を、すでに上回っている。
81歳になったばかりのヴァン・モリソンは、古いブルースのカバーを中心にしたライブで、各地の観客を沸かせている。今年もまた「Brown Eyed Girl」を歌って夏を過ごすより、そのほうがケルトに根ざす彼の感性を刺激するのだろう。長年ビーチ・ボーイズで歌ってきたアル・ジャーディンは、熱心なファンに愛されるアルバム『Love You』をライブで取り上げている。ベテランにも、こうした挑戦を続けてほしいものだ。ロッド・スチュワートはフェアウェル・ツアーを1年以上も続けた。そう簡単には別れを告げないところが、彼らしい。ミッキー・ドレンツは今も「The Porpoise Song」の高音を歌い上げる。リンゴ・スターは、オール・スター・バンドの公演中、ずっと動き続けている。ドラムを叩いていないときも、腰を振って踊っているのだ。病弱だった子どもの頃には、18歳まで生きられないと思われていたスターが、今や86歳。同じビートルズのメンバーであるマッカートニーも、昨秋の北米ツアーで観客を圧倒した。驚くほどの情熱で長時間のライブをこなし、さらに新たな挑戦を重ねている。なぜそこまで自分を駆り立てるのか、本当のところは誰にもわからない。終演の時間になると、まだ帰りたくないとばかりに不満そうにする姿も、見ていて微笑ましい。私たちにも、あれほど離れたくないと思える場所があれば、幸せなことだろう。
80歳のヤングはここ2年ほど、クレイジー・ホース、続いてクローム・ハーツと、激しいライブを繰り広げてきた。2026年の公演は大半をキャンセルしたが、ファンには「少し休みが必要だっただけだ」と説明し、この秋にはステージに戻ってきた。ストーンズは、ツアー計画を見送らざるを得なかった。残念ながら、誰もがミック・ジャガーのような体力を持っているわけではない。83歳にしてあれほど軽やかに動ける彼には、もっと若い人でもなかなかついていけないだろう。ただし、それは生まれ持った才能だけによるものではない。体育教師の息子であるミックは、ほかのロックスターよりもずっと早くから、本格的な身体づくりに取り組んできた。
78歳を目前にしたスティーヴィー・ニックスの人気は、かつてないほど高まっている。昨年は各地のアリーナ公演を次々とソールドアウトさせ、伸びやかに、充実した日々を過ごしていた。ラッシュのゲディー・リーとアレックス・ライフソンは73歳。この顔ぶれのなかでは、まだ若いほうだ。ただ、2人はニール・パートが亡くなる何年も前、今から10年前にはツアー活動を退いていた。それだけに、今年の見事な復帰はうれしい出来事だった。「アレックスと僕は、自分たちがどうしたいのか、じっくり考えた」と、リーは10月の発表で語っている。「そして、やっぱりツアーが恋しくてたまらない、という結論になったんだ」。まさに、この言葉に尽きる。音楽に人生を捧げてきた彼らが、ツアーに戻りたくなる理由はそこにある。
さて、70代の「若手」の話はこのくらいにしよう。ここに挙げた80代のレジェンドたちは、過去を再現するためにツアーを続けているわけではない。ステージに立つことで、生きている実感を得られるから戻ってくる。その場所を必要としているからこそ、今も最高のパフォーマンスを見せられるのだ。ヤングがかつて歌った「Tonights the Night」のように、演奏する者も、したたかに生き抜く者も、今夜にすべてを懸けている。
from Rolling Stone US

