田んぼではコメの収穫が進んでいる(25日、長野県木島平村で)

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 JA全農長野は25日、2026年産米の概算金について、「コシヒカリ」(1等、60キロ)を1万6730円とすることに決めた。

 過去最高だった前年の2万8240円から4割の大幅減となる。農家から落胆の声が上がる一方、店頭での値下がりにつながるとして、消費者は歓迎している。

 概算金は農家から集荷する際に仮払いする金額となる。作付面積が長野県産米の8割近くを占めるコシヒカリは、25年産米から1万1510円の減少となった。このほか、「あきたこまち」が1万5950円、「風さやか」が1万5830円で、いずれも大幅に減った。

 背景には、米価の乱高下がある。昨年は「令和のコメ騒動」として急騰したが、今年は一転、在庫が積み上がり、各地で「コメ余り」が続く。新潟や北海道など大産地でも概算金は軒並み大幅減となっていた。

 「現時点で見込める最大限。苦渋の決断だ」。この日行われた同JAの会合後、池田吉隆米穀課長は複雑な表情を浮かべた。

 農家の間では今後を不安視する見方が広がる。木島平村の男性(57)は、コシヒカリやにじのきらめきなど毎年約125トンを収穫し、うち約4割をJAに出荷している。昨年はコメの高騰を受けて初めて売上総額が1億円を超えた。ただ、概算金の減額などを受け、今年は7000万円程度にまで減少する見込みだ。一方、この1年で、肥料と燃料代が1~3割ほど上昇し、経営の重荷となっている。

 男性は「去年上がりすぎたので仕方ないが、生産コストが上昇する中で売り上げが下がるのは痛い」とこぼす。

 概算金を目安に卸売業者との取引価格が決まるため、コメの店頭価格は値下がりが見込まれている。

 長野市の主婦(42)は、中学生の息子2人と夫の4人暮らしで、毎日5合のコメを炊いている。コメ高騰で雑穀米を食べることもあったといい、「やっと新米が買えそう。子どもにもたくさん食べさせてあげたい」と喜ぶ。

 農林水産省によると、7~13日の1週間に全国のスーパーで販売されたコメ5キロの平均価格は、前週より32円安い2971円と、5週連続で値下がりした。24年9月以来、約2年ぶりに3000円を下回った。

 県内で30店舗のスーパーを展開する長野県A・コープは、今年の県産米を5キロ約3000円で29日から各店舗で販売する。担当者は「消費者が手を出しやすい価格になったと思う」と話した。