200m平泳ぎ世界新の大橋信「ドーピングしているんじゃないかなと思うぐらい速かった」…予想以上のペースに自身もびっくり
24日に行われた愛知・名古屋アジア大会の競泳男子200メートル平泳ぎで大橋信(枚方SS)が2分4秒83の世界新記録で優勝し、100メートルとの2冠を達成した。
女子200メートル平泳ぎでは加藤心冨(スウィン鴻巣)が金メダル。男子800メートル自由形で田渕海斗(尼崎SS)が7分43秒86の日本新で2位。同50メートルバタフライの光永翔音(中大)は日本記録に並ぶ23秒06で2位だった。
大会前にはコロナ感染
世界新記録を打ち立てた大橋は、プールから上がるとスタンドに向かって高々と両手を上げた。「(ゴールして)タッチした後の歓声が好き。それのために頑張っている。また頑張ろうと思えた」。大きな達成感を感じていた。
スタートから快調に飛ばし、最初の50メートルを28秒27で入った。指導する太田伸コーチは「全力ではないのにいけている。いい泳ぎがはまった」。2017年にこの種目で世界新を出した渡辺一平(トヨタ自動車)らを引き離していく。100メートルのターンはコーチの想定を上回る59秒89で、後半も泳ぎが崩れることはなかった。「しんどかったけど、ラスト50メートルは練習でもできたことがない、いい泳ぎができた」と大橋。「今からドーピング(検査)があるけど、ドーピングしているんじゃないかなと思うぐらい速かった」とおどけるほど、自分の予想をも超える泳ぎだった。
レース後、大会前に高熱が出たのはコロナウイルスに感染していたからだったと明かした。金メダルだった100メートル平泳ぎではまだ精神面に影響が出ていたが、200メートルに挑む際には「みんなのおかげでここまで上がってこられた。世界記録は出さないといけないという気持ちになった」。
次に目指すのは、平泳ぎの大先輩である北島康介さんのような五輪での金メダルだ。北島さんの現役時代を知る太田コーチは「北島選手は勝ってほしいところで勝った。そこに行くには、信には経験が必要」。どんな成長曲線を描くのか。ワクワクさせてくれる17歳だ。(帯津智昭)
加藤心冨、ラスト逆転「金」…女子200平
競泳の日本女子で今大会初の金メダリストが誕生した。200メートル平泳ぎで、20歳の加藤が韓国選手を最後に逆転して優勝。ゴール直後、右手を少し上げて控えめにガッツポーズした。
「ライバルたちは後半型なので、前半からスピードを出していった」。狙い通りにはいかず、150メートルのターンでは2位だった。そこであきらめなかった。残り10メートル付近で追いつき、最後の5メートルで逆転した。「ぎりぎり、優勝できて本当に良かった」と安堵(あんど)した。
平泳ぎは35歳の鈴木聡美(ミキハウス)がライバルであり、一緒に高め合う仲間でもある。「最年長の聡美さんが、あれだけ頑張っていれば、私が疲れて頑張れない状況にはいられない」。ゴール後は鈴木から「おめでとう」と祝福され、握手をして健闘をたたえ合った。「(来年の)世界水泳でしっかり泳げるようにしたい」と加藤。さらなる成長を誓った。(帯津智昭)
