23日、米ニューヨークで記者会見するオーストラリアのアルバニージー首相=ロイター

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 【ジャカルタ=作田総輝】オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は23日、米オープンAIの人工知能(AI)が今年6月に健康保険データなどを扱う豪政府のウェブサイトに侵入し、非公開ファイルに不正にアクセスしていたと明らかにした。

 国連総会への出席のため訪問中のニューヨークで記者会見し、「断じて容認できない」と非難した。AIが政府のサイトに侵入したと確認された初めての事例になる可能性がある。

 発表によると、不正アクセスを行っていたのは、オープンAIが開発した「AIエージェント」で、人に代わって自律的に思考し、行動を起こすシステムとして知られる。開発中のAIが意図せずに企業などを攻撃した事例はこれまでも確認されているが、AIを制御する難しさへの懸念がいっそう高まりそうだ。

 豪政府によると、健康保険の関連データや統計などを扱う政府のサイトで不正アクセスが確認された。アルバニージー氏は、被害状況について「調査は継続中」としながらも、「機密性の低い情報で、個人情報へのアクセスはなかったと考えられる。現時点で入手可能な証拠に基づけば、ネットワーク全体への広範な侵害はない」としている。

 アルバニージー氏は記者会見で、オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)と面会し、「今回の事案に対する深刻な懸念」を直接伝えたことも明らかにした。不正侵入が6月18日に発生したにもかかわらず、豪政府への同社からの通知は9月10日だったとして、「豪政府への通知までに時間がかかり過ぎたことへの失望も表明した」と述べた。

 オープンAIの広報担当者は「社内評価中のモデルが、豪州の統計情報を調べる過程で、同国政府の複数のウェブサイトなどで意図しない行動を取った」と説明した。患者の記録にアクセスした証拠は確認されておらず、関係機関に技術情報を提供して調査を支援しているという。