マキタの18Vバッテリーにも対応済み、リチウムイオンバッテリーの診断と修理をブラウザから無料で実行できる「Open Battery Information」

Open Battery Information(OBI)はバッテリー管理システム(BMS)によってロックされたリチウムイオンバッテリーの診断と修理を支援するために設計されたオープンソースプロジェクトです。
Open Battery Information
https://openbatteryinformation.github.io/

mnh-jansson/open-battery-information
リチウムイオンバッテリーは二次電池の中でもとりわけ高いエネルギー密度と長寿命という特性があり、日常のあらゆる場所で使用されています。一方でリチウムイオンバッテリーは単体では取り扱いが難しく、過充電・過放電・加熱などにより容易に発火・爆発しかねない危険性を併せ持っています。取り扱いの難しいリチウムイオンバッテリーを適切に管理して安全性を確保するのがBMSの主な役割です。

BMSがリチウムイオンバッテリーに何らかの障害を検出すると、安全を優先してBMSはバッテリーをロックするためバッテリーが使用不能な状態になります。もし実際にはバッテリーに問題がなかったとしても、誤検出によりロックされてしまったリチウムイオンバッテリーは廃棄するしかありません。

OBIは誤検出・一時的な問題・修理済みのリチウムイオンバッテリーをBMSによる判断だけで廃棄せざるを得なくなる、という非効率的な問題を解消することを目指しています。OBIの機能的な特徴は以下の通りです。
・ロック解除機能:BMSによってロックされたバッテリーパックからステータス・充電サイクル・エラーコードなどの情報を読み取り、ロックを解除する
・Web Serialによる接続:ドライバー・ソフトウェアのインストールは不要、USBケーブルとWeb Serial APIを介してArduinoと直接通信可能
・モジュラー設計:サポートされるモジュールとインターフェースは増加中、記事作成時点ではArduinoOBIインターフェースを通じてMakita LXT 18Vパックにも対応
・プライバシー重視:全ての処理はローカルのブラウザタブ内で完結しアカウント作成・テレメトリー収集・外部へのデータ送信は一切なし
OBIの利用を開始するには以下のものが必要となります。
・デスクトップブラウザ:Chrome・Edge・Opera・Firefox(バージョン151以降)が必要、Safariは未対応
・Arduino Uno:optibootブートローダー搭載の純正Arduino Unoもしくは互換機種、および接続用のUSBケーブルが必要
・HTTPSまたはlocalhost:Web Serial APIの利用にはセキュアなコンテキストが必要なため、GitHub PagesのようなHTTPS環境またはlocalhostで実行する必要あり
・サポートされているバッテリー:記事作成時点ではMakita LXT 18Vパック(BL18xx・BL14xx)がサポート済み

OBIを利用するための手順は以下の3ステップです。
1. ハードウェアのセットアップ:ArduinoOBIインターフェースを構築し、提供されている配線ガイドに従ってバッテリーに接続する
2. ボードの接続:「OBI-1」を開き、使用するArduinoを選択して「接続」をクリックする(ボードは自動的にリセットされ自身を識別する)
3. バッテリーの読み取り:バッテリーを接続した状態で「バッテリーの読み取り」ボタンをクリックするとセルの電圧。温度。充電サイクル・ステータスなどが一覧表示される

なお、リチウムイオンバッテリーには多量のエネルギーが蓄えられているため安全には十分注意する必要があります。配線ミスや誤った使用によりバッテリーやArduinoを損傷する可能性があります。OBIはGPL-3.0ライセンスの下で提供されるオープンソースであり、いかなる保証もありませんので利用はあくまで自己責任で行ってください。
