「アニメ大好き」「1日16時間勉強した」ガリ勉少女は、なぜ朝ドラヒロインになったのか…“ふわふわ系”天才女優・見上愛(25)の意外すぎる素顔
明治時代の医療看護の世界を舞台に、専門的に訓練された「トレインドナース」となった2人の女性の人生を描くNHK連続テレビ小説『風、薫る』がいよいよ最終回を迎える。
【写真】「泣きそう…」「半年間お疲れさま!」次の朝ドラヒロインにバトンを渡した見上愛(25)&上坂樹里(21)
見上愛演じる一ノ瀬りんの“しなやかさ”
2人の主人公のうち、元家老の家の長女で、酒癖の悪い夫と離縁し、上京して母や妹とともに娘を育てながらナースを目指す一ノ瀬りんを演じたのが、2000年生まれの若きヒロイン・見上愛だ。

見上愛 ©時事通信社
りんは、父を流行りの感染症であるコレラで亡くした経験から、ナースになることを志す。父から教わった「自分で考えること」や「己の良心に恥じないか」を大切にしているが、それがいきすぎて視野が狭くなってしまうことも。そのたびに「また間違えた」と反省しながらも、着実に看護婦として成長していく。
しかし、看護婦となってから人の命と生活を預かることに怖さを感じるようになり、看護婦を辞めて1人で新潟へ行き、女学校の舎監として勤務したことも。りんは、誰もなし得なかったことを叶えようと使命感でどんどん突き進んでいくのではなく、迷いながらも一歩一歩負けずに進んでいくタイプだ。今いる場所で、ベストを尽くそうとする“しなやかさ”が感じられる。
もともとアニメ好き、一日16時間も勉強…意外な素顔を持つ見上
演じている見上にも、そんな“しなやかさ”がある。もともとアニメ好きだった見上は、中学時代に漫画やゲームなどを舞台化した「2.5次元作品」を観劇。これをきっかけに舞台の虜となり、演出家を志すようになったそう。
将来のビジョンが明確に決まり、志望校へは一般入試ではなく、受験生の意欲や個性を総合的に評価するAO入試で行こうとまで決めていたという。しかし、通っていた塾の講師から「勉強しなさい」と促され、なんと1日16時間も勉強。当時のことを見上は「とにかく寝ても覚めても勉強ばかり。人生で一番勉強しましたね。今後あんなに机に向かうことはないと思います」と振り返っている(※1)。
念願かなって日本大学芸術学部演劇学科へ進んだ見上は「裏方・演出家になるには演技も学ぶべき」と考え、ワタナベエンターテインメントのスクールに通所。これがデビューのきっかけとなる。
夢だった演出家ではなく、俳優として第一線に立っている現在の状況について見上は「運とタイミングがよかったんだと思います。流れに身を任せた結果です」と語っている(※2)。講師の一言で勉強に打ち込んだり、ふと思い立って演技の勉強をしてみたり。ふわふわしているようにも見えるが、この“ふわふわ感”こそ見上らしい“しなやかさ”なのである。
「部屋を片付けられない」私生活と仕事のギャップ
『風、薫る』でも共演した仲の良いお笑い芸人・丸山礼とおしゃべりを繰り広げるポッドキャスト『見上愛&丸山礼の脱力じかん』では、部屋の片付けが苦手な見上が定期的に友人に片付けをお願いしているというエピソードを披露(#86 2026年8月17日配信分)。
しかもその友人をポッドキャストの収録見学に招待したが、当初は見上の家に友人たちを残して片付けをお願いするつもりだったことを丸山に話し、大笑いされていた。この“ふわふわ感”からくる“放っておけなさ”も見上の大きな魅力でもある。
そんな愛らしい“ふわふわ感”を見せる一方で、見上は役作りに対しては恐ろしいほどの職人気質を見せる。消防局の指令管制員を演じた『119エマージェンシーコール』(2025年/フジテレビ系)では流暢な英語を披露した。
さらに、俳優という仕事について「役と向きあうために、自分と向きあわなくちゃいけない。そういう作業をしたことがなかったので、発見の連続です。普通なら見なくてもいい自分の嫌な部分も見なくちゃいけなくて、つらいと感じることもあるんですけど、なんだかんだ言って、それも好きです」と明かしている(※3)。
そうした役を徹底して分析し、必要と思うことはできる限りやるという真摯でストイックな姿勢が、彼女の演じるキャラクターに確かなリアリティと奥行きを与えていると言えるだろう。
『風、薫る』は、おっとりとしているりんと、しっかり者の直美(上坂樹里)の“バディ”としての対比が見どころでもあるが、その性格の違いも見上の分析があってこそなのかもしれない。
「ターニングポイントにはいつもアニメが関わっている」
好きなアニメを語らせると、『涼宮ハルヒの憂鬱』、『けいおん!』、『輪るピングドラム』と次々に作品名が出てくる見上は、2026年1月に公開されたアニメ映画『ALL YOU NEED IS KILL』で声優デビュー、かつアニメ初主演を務めている。
「自分のターニングポイントには、いつもアニメが関わっているような気がします」と語るほど、アニメに対してリスペクトの念が強い見上は、声優を経験したことで「(声の演技が)簡単なことじゃない、とわかったからこそ、またいつか挑戦できたらいいなと思っています」と目を輝かせていた。
芳根京子、上白石萌音、川栄李奈など、NHK連続テレビ小説のヒロインを経験した俳優たちは、その後も映画やドラマ、舞台などで幅広く活躍している。見上も「『このキャラクターを私が?』と、オファーされた時に驚くような役にどんどん挑戦したい」と語るなど向上心は高い(※1)。今後、大好きなアニメの分野も含め、輝きを放つ俳優の1人となりそうだ。
参照
※1 https://crea.bunshun.jp/articles/-/53898
※2 https://crea.bunshun.jp/articles/-/53897
※3 https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2021/05/03/articles/20210503s00041000233000c.html
(久保田 ひかる)
