日テレNEWS NNN

写真拡大 (全13枚)

茨城県水戸市で、妊娠していたネイリストの女性にストーカー行為をしたうえ、殺害した罪に問われている元交際相手の男が初公判で起訴内容を認めました。明らかになったのは“被害女性に対する執着”でした。

   ◇

大内拓実被告(29)
「被害者を殺害して、被害者と出会う前に戻りたい。人生をリセットしたいと考えるようになった」

被害者の小松本遥さん(当時31)は、亡くなるおよそ半年前にネイルサロンを開業したばかりで、おなかのなかには、その後、結婚した別の男性との間に身ごもった5か月になる赤ちゃんがいました。

小松本さんをストーカーし、殺害した罪に問われている元交際相手の大内拓実被告は…

裁判
「公訴事実に間違えているところはありますか」

大内被告
「ないです」

14日の初公判で、起訴内容を認めました。

明らかになったのは、交際解消後も執拗(しつよう)に続いたとされる小松本さんへのストーカー行為でした。

■連絡ブロックきっかけ…居場所探すように

事件が起きたのは、去年のおおみそかです。そのおよそ1年前、大内被告は小松本さんから別れを告げられます。

しかし、未練があった大内被告は破局してから半年たっても…

「もう一度ちゃんと話せたらと思っている」

繰り返し送られてくるメッセージや電話に耐えかね、小松本さんはついに連絡をブロックしました。

しかし、これをきっかけに、大内被告は小松本さんの居場所を様々な手段で探すようになったといいます。

■小松本さんの元同僚に偽名でメッセージ

小松本さんのネイル仲間の元同僚に対しては、「平野と申します」とSNSで偽名を使ってメッセージを送り、アカウントの画像には「ネイル」の写真を使っていました。

大内被告が小松本さんの元同僚に送ったメッセージ
「以前施術してもらって、あなたの話を聞いていました。(小松本さんの)お店ご存じですか? お礼もかねて伺おうと思っています」

元同僚が小松本さんに確認しても心当たりはなく、後日、アカウントは閉鎖されていたといいます。

■たどり着いた手法…「紛失防止タグ」仕込んだぬいぐるみ

知人にも探りを入れていたという大内被告。これについて、小松本さんは「(大内被告が)あちこちに連絡してるから、つきまといで被害届出そうと思っている。結婚して妊娠したことは言わないでね」と情報を渡さないよう警戒していました。

大内被告の携帯には、「他人の住所を調べる」「非通知のかけ方」などの検索履歴が残っていたことも14日、明らかになりました。

そして最終的に、居場所特定のため、大内被告がたどり着いた手法が、「紛失防止タグ」でした。

検察側
「被告人は紛失防止タグをぬいぐるみに隠して段ボールに入れ、被害者の実家の玄関先に置いた」

準備したのは、位置情報を確認できる「紛失防止タグ」を仕込んだぬいぐるみです。

送り主はテーマパークの運営会社で、キャンペーンに当選したと装っていました。

不思議に思いつつも、小松本さんが、このぬいぐるみを持ち帰ったことで、大内被告は自宅を特定しました。

この数日後、特定した自宅を訪れた大内被告は、とめてあった車のナンバープレートにも紛失防止タグを設置し、小松本さんの帰宅を確認すると、宅配業者を装ってインターホンを押し、殺害に至ったとみられています。

小松本さんの体には、少なくとも48か所以上の傷があったということです。

■小松本さんの夫「一生許しません」

法廷で読みあげられたのは、血だらけで倒れている妻を最初に見つけた、夫の調書です。

小松本さんの夫
「自分自身に対して、遥を守ってやれなかった強い怒りを感じています。私たちの子どもが男の子だったことは警察に聞きました。愛する妻と息子を失い、何もする気が起きません。犯人のことを絶対許しません。一生許しません」

事件前、大内被告は、自分の精神状態が普通ではないと感じ、精神科病院に問い合わせたものの、予約がとれず、必要な治療は受けられなかったといいます。

■“紛失防止タグ悪用事案”相談件数が急増

なくならないストーカー事件。紛失防止タグを悪用したストーカー事案の相談件数は、この5年をみても、3件から679件にまで急増しています。

警察庁などはいま、ストーカー対策として、加害者に対する治療やカウンセリングの義務化を検討していて、政府としても、被害者に強い執着を示す、危険性の高い加害者にGPSを装着するなどの対策の検討を指示しています。

今回の裁判は、弁護側も起訴内容は争わず、量刑が争点となっています。次回は、被告人質問が行われる予定です。

(9月14日放送『news zero』より)