アリに襲われて意識を失い、気づいたら病院だったという(画像提供:諏訪部洋平さん)

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 タイは日本に負けないほど自然が豊かである。青い海に島、山や川に湖など魅力的な観光スポットが多数ある。常夏の国なので、日本とは違った植物や動物も少なくない。ただ、種類によっては人間にとって危険なものもいる。こういった攻撃性・刺激性のある動植物がいるので、観光でタイを訪れた際には実は気をつけなければならないことが多々ある。
 今回はバンコクでアリに襲われてしまったことで病院に担ぎこまれた日本人男性に話を聞いた。

◆植え込みに腰かけたらアリに襲われた

 タイの首都バンコクは、東京などよりも土地の使い方に余裕があるので、広い空き地もあれば未開発の土地も少なくない。そういったところは木や雑草が生い茂り、さまざまな動物が棲息している。鳥も日本では見かけない種類も多く、1970年代までバンコクにも野生のハゲワシがいたという。リスが電柱を走っているのは今も日常だし、ヤモリやトッケイなどの爬虫類もいる。

 昆虫の生息数も多い。ムカデやクモ、ハチなど、人に危害を及ぼす生き物も少なくない。アリも多数の種類がいるが、その中には危険な性質のもいる。以前書いた記事で「タイ人妻の実家が革靴工房」として紹介した諏訪部洋平さんが赤茶色のアリに襲われるという被害に遭ってしまった。そのときの様子を聞いた。

「友人と食事していたんです。友人はタバコを吸わないので、ちょっと吸いたいと思いまして」

 タイは日本以上に喫煙に厳しい。飲食店は屋台でも喫煙不可というところが少なくない。諏訪部さんは屋台から離れた場所にあるゴミ箱近くで吸おうとしたところ、商業施設の警備員から禁止場所なので植え込みのほうに行くよういわれた。花壇のように一段高くなっているので、そこに座って諏訪部さんは一服。

「夜だったので、電灯で明るいといっても足元はわからなかったです。少ししたらなにかチクッとする感覚があり、下を見たら赤茶色のアリが両足に10匹ずつくらいたかってました」

 サンダルだったので、肌がむき出しのところにアリがたかっていたのだ。日本ではありえないくらい、タイのアリは機動力が高い。たとえば自宅などで甘いものを床にこぼしてしまうと、すぐ数匹のアリがくる。それを拭こうと濡れたモップなどを持ってきたら、ものの数十秒なのにすでにアリが行列を作っていたりするのだ。

 諏訪部さんも気がついたときには片足ずつに10匹は登ってきており、噛みついてきていたという。これもタイのアリだからなのか、事実として攻撃性が高い。たとえばシャワーを浴びるためにバスタオルをタオルかけに下げておくと、その裏側に数十のアリが集まっていることがあり、それで身体を拭くと全身を噛まれてしまう。ちゃんとしたホテルやマンションなどの高層階はそもそもアリが来ないが、市井のタイ人が住むアパートなどはそんなことが稀に起こり、特に乳幼児がいる世帯は気をつけないといけない。そのためもあって、タイのホームセンターでは各昆虫を撃退する薬品が多数販売されている。