〈我が子もドパガキ?〉「スマホがないと店で騒ぐ」「アニメは2倍速」親たちが恐れる“子の異変”と専門家が語る対策

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近年、「ドーパミン中毒のガキ」を意味する「ドパガキ」という言葉が、SNSなどで見られるようになった。主に、ショート動画など刺激の強いコンテンツを次々と見続ける若い世代を指して使われる言葉だ。集中力の低下などが指摘されているが、どのような対策が有効なのか。専門家に話を聞いた。

【表】「放置するとドパガキになるかも」子どものネット利用「ルールなし」の家庭では平均6時間超

「アニメは2倍速でしか観ません」

都内に住む40代の母親は、8歳の子どもについて「ドパガキとまでは言えないと思いますが……」と話す。

「うちの子はスマホは持たせていないので、もっぱらテレビゲームの利用が課題です。1日に遊んでいい時間を一応決めていて、時間が来るとアラームが鳴るのですが、当然のように無視してプレイし続けます」

さらに、ゲーム以外でも気になることがあるという。

「テレビのハードディスクに好きなアニメを録画しているのですが、基本的に2倍速でしか観ません。おそらく、『決められた時間内でできるだけたくさん観たい』という思いなのだと思います」

また、北海道在住の小学生の父親は、外出先でのスマートフォン利用についてこう話す。

「子どもにスマホはまだ持たせてはいませんが、外出先などで知人とゆっくり過ごしたいときなどに、一時的に子どもにスマホを渡すことはあります。でも一度渡すとなかなか返してくれません。でもスマホないと騒ぐし他のお客に迷惑かかる、仕方ないですね」

学校で使うタブレットについても、こんな心配があるという。

「子どもの学校ではiPadが配られています。もちろんある程度は使える内容が制限されているかと思いますが、家でも学童でも隠れてずっといじってます。ただ、我々大人もスマホなしではもういられない、なぜ子どもだけ?って少し不憫に感じています」

わが子は「ドパガキ」なのか――親の心配は尽きない。

では、いったいどのような状態や行動をしていると、「ドパガキ」と考えられるのだろうか。「ゆうメンタルクリニック」総院長で精神科医のゆうきゆう氏に話を聞いた。

「いわゆるXやインスタのタイムラインや、またTikTokやYouTubeショートなどの、一つ一つが短いコンテンツを次々と見ていたりする状態は、まさにドーパミン依存症(正確にはネット依存症)であり、それが若者であれば、ドパガキという表現が当てはまるかと思います。年配ならばネット依存症の中年男性(女性)と呼ぶことになりますけれども」

「できるかぎり時間は減らすようにしましょう」

スマートフォンなどを使って次々と刺激を得ようとする行動は、保護者世代にも見られるのではないだろうか。この問いに対して、ゆうき氏は「もちろんです。年代に関係ありません」としたうえで、こう続ける。

「しかしながら、実は若者の方が、刺激にたいしてはより敏感に反応します。たとえば老人が新たに何かの依存症になる、というのは想像しにくいですよね。中年・老年になると、そこまで敏感にドーパミンが出にくくなるのです。しかし若者は敏感に出るので、だからこそ、依存症にもなりやすくなります」

では、スマートフォンやショート動画などを通じて、短時間でさまざまな情報や刺激に触れることには本当にメリットはないのだろうか?

「メリットはゼロです。若者がタバコやお酒を飲んでメリットがあるか?という質問に近いです。もちろん『お酒でコミュニケーションが深まって~』みたいな強引な理由付けはできるかもしれません。しかし健康上のデメリットの方が上回ります。

ネットやスマホの依存も同様で、いいことはありません。脳のドーパミンを強制的に出し続けていると、どんどんドーパミンが出づらくなってしまいます。結果、他のものごとにたいして快感を感じづらくなり、日常生活全般の喜びが減ってきます。これを『失楽園仮説』と呼びます。何にせよ良いことはないので、できるかぎり時間は減らすようにしましょう」

ゆうき氏は、親子で取り組める対策として次の例を挙げる。

「上記に準じますが、

・スマホ・タブレットの利用は、リビングルームのみ
・親の前でのみ
・○時間まで
・夜だけ

など、ルールを決めるのが一番良いと思います」

ゆうき氏が指摘するように、家庭におけるスマホ利用ルールのあり方が重要さを増している。

こども家庭庁の「令和7年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 報告書」によれば、インターネットを利用する青少年のうち、家庭で何らかのルールを決めている子どものほうが、ルールを決めていない子どもよりも利用時間が短い傾向にあるという。

今の子どもたちは生まれたときからデジタル機器に囲まれている。街中にはデジタルサイネージがあふれ、学校でもGIGAスクール構想のもと「一人一台タブレット端末」が進められている。「ドパガキ」という現象は、こうした環境の副作用と言えるのかもしれない。

子どもたちがデジタル機器といかにうまく付き合っていくのか。子どもとともに考えながら、適切なルールを設けることが大人に求められている。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班