「食後の血糖値」が上がりやすい行動はご存知ですか?上がりやすい食べ物も解説!

血糖値が上がりやすいのは食後「座ったまま動かない」「すぐに横になる」どっち?メディカルドック監修医が血糖値が上がりやすい食べ物も解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「食後の血糖値」が上がりやすい行動はご存知ですか?上がりやすい食べ物も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
久高 将太(琉球大学病院内分泌代謝内科)

琉球大学医学部卒業。琉球大学病院内分泌代謝内科所属。市中病院で初期研修を修了後、予防医学と関連の深い内分泌代謝科を専攻し、琉球大学病院で内科専攻医プログラム修了。今後は公衆衛生学も並行して学び、幅広い視野で予防医学を追求する。日本専門医機構認定内科専門医、日本医師会認定産業医。内分泌代謝・糖尿病内科専門医。

「血糖値」とは?

「血糖値」とは、血液の中に含まれる「グルコース(ブドウ糖)」の濃度のことです。私たちは食事から炭水化物などの糖質を摂取すると、消化・吸収を経てブドウ糖として血液中に取り込まれます。このブドウ糖は、私たちの脳や筋肉を動かすための大切なエネルギー源となります。
通常、健康な人の体では「インスリン」という膵臓(すいぞう)から出るホルモンが働き、血液中のブドウ糖を細胞に取り込ませることで、血糖値を一定の範囲内に保っています。しかし、食事の摂り方や生活習慣の乱れによってこの調整機能が追いつかなくなると、血糖値が異常に高い状態が続くようになります。

「食後の血糖値」はどうなりやすい?

食事を摂れば、誰でも一時的に血糖値は上がります。しかし、問題はその「上がり方」と「下がり方」です。
食事を開始して約30分から1時間後、血液中の糖分はピークに達します。通常であれば、インスリンの働きで2時間後には空腹時の水準に戻ります。しかし、現代人の食事は精製された炭水化物が多いため、食後に血糖値が急上昇し、その後急降下する「血糖値スパイク(食後高血糖)」を起こしやすい傾向にあります。
特に、食後に筋肉を動かさないでいると、血液中のブドウ糖がエネルギーとして消費されず、いつまでも高い状態が維持されてしまいます。これが慢性化すると、血管の壁にストレスを与え、動脈硬化を進行させる原因となります。

血糖値が上がりやすい食べ物

血糖値の上がりやすさを示す指標として「GI値(グリセミック・インデックス)」があります。以下に、特に注意が必要な食べ物を挙げます。

白米や白いパン、うどん

白米や白いパン、うどんは、食物繊維が取り除かれているため消化吸収が非常に早く、血糖値を急激に上昇させます。特に「早食い」をすると、吸収のスピードがさらに加速するため注意が必要です。

甘い清涼飲料水・菓子パン

液体に含まれる糖分は、固体よりも早く小腸に到達して吸収されます。砂糖たっぷりのジュースや、脂質と糖質が凝縮された菓子パンは、血糖値を一気に跳ね上げる「最有力候補」です。

芋類(ジャガイモ・長芋など)

野菜の中でも、デンプンを多く含むジャガイモなどは、体内でブドウ糖に分解されやすいため、比較的GI値が高い食品に分類されます。副菜として食べる際は、量に注意が必要です。

フルーツの缶詰・ドライフルーツ

果物にはビタミンや食物繊維が含まれますが、缶詰のシロップ漬けやドライフルーツは糖分が濃縮されています。これらを一度にたくさん食べると、果糖とショ糖の過剰摂取につながります。

インスタント食品・スナック菓子

これらは高炭水化物であるだけでなく、味付けが濃いため、ついつい食べ過ぎてしまう傾向があります。また、含まれる添加物や質の悪い油が、インスリンの効き(インスリン感受性)を悪くする可能性も指摘されています。

血糖値が上がりやすいのは食後「座ったまま動かない」「すぐに横になる」どっち?

「座ったまま動かない」方が、血糖値のコントロールという点ではリスクが高いと言えます。
実は、「食後すぐに横になる」こと自体は、必ずしも悪ではありません。むしろ、食後30分程度、右側を下にして軽く横になる(安静にする)ことは、消化器への血流を促し、肝臓の代謝を助けるメリットもあります。
一方で、「座ったまま動かない」状態は、下半身の大きな筋肉(大腿四頭筋など)が全く使われない状態です。血液中のブドウ糖を最も多く消費するのは筋肉です。座りっぱなしでいると、食事で得たエネルギーが使われず、行き場を失った糖が血液中に溢れかえってしまいます。
ただし、「食べてすぐ寝る(本格的な睡眠)」は別です。寝てしまうと代謝が著しく低下し、高血糖状態が長く続くため、肥満や逆流性食道炎のリスクを高めます。
理想は、座り続けず、少し横になって体を休めた後に、軽い散歩や片付けなどの運動を行うことです。

「食後すぐ座った場合の血糖値」についてよくある質問

ここまで食後すぐ座った場合の血糖値について紹介しました。ここでは「食後すぐ座った場合の血糖値」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

食後座りっぱなしは良くないのでしょうか?

久高将太(医師)

はい、あまりおすすめできません。現代の研究では、座り続ける時間が長いほど、糖尿病や肥満のリスクが高まることが示唆されています。食後30分から1時間以内に、一度立ち上がって少し歩いたり、家事をしたりして体を動かすことが、血糖値を下げるための最も効率的な方法です。

まとめ食後30分経ったら少し立ち上がって動く習慣で血管を守りましょう

食後の過ごし方は、単なる習慣ではなく、あなたの血管を守るための「治療」に近い意味を持ちます。
食後の座りっぱなしを避けること、「座る」か「横になる」かよりも「動く」時間を意識すること、食べる順番を工夫すること。
これらの小さな積み重ねが、将来の大きな病気を防ぎます。まずは「食後30分経ったら、少しだけ立ち上がって動く」ことから始めてみてください。

「食後すぐ座った場合の血糖値」と関連する病気

「食後すぐ座った場合の血糖値」と関連する病気は3個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

代謝系

2型糖尿病脂質異常症

高血圧症

これらは「メタボリックシンドローム」として互いに関連し合い、動脈硬化を加速させます。

「食後すぐ座った場合の血糖値」と関連する症状

「食後すぐ座った場合の血糖値」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

食後の強い眠気

全身のだるさ

喉の渇き

「いつものこと」と見過ごさず、これらは体が発しているサインかもしれません。

参考文献

糖尿病診療ガイドライン|日本糖尿病学会

糖尿病|厚生労働省 e-ヘルスネット

糖尿病の食事のはなし|糖尿病情報センター