激しい咳で夜に目が覚める人が、今すぐ「レントゲンを撮るべき」理由…ただの風邪だと思いきや「結核」「心不全」の可能性も

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「コンコンと乾いた咳」「痰が絡まった咳」「息切れのような咳」など--「咳のタイプ」から体の異変を見つける方法を詳しく解説する。

【前編記事】『「熱もないのに咳だけが長引く…」いま急増する「謎の咳」の正体とは? 専門医は「放置すると危険」と警鐘』よりつづく。

その咳、結核や心不全が原因かも…!

痰や鼻水が絡んで濁った音が聞こえる「湿った咳」には、別の要因が考えられる。

「副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎で鼻水がのどに落ちてくる『後鼻漏』がまずは考えられますが、最も警戒すべきは肺炎。見分ける手がかりは痰の色です。黄色や緑色のドロッとした痰は膿性痰といって、細菌感染を起こしている可能性が高い。

高齢者では平熱のこともありますが、ほとんどは発熱を伴います。症状が似ているインフルエンザや新型コロナが陰性だったからと放置していると、3~4日目になっても熱が下がらないことも。そんなときは、肺炎を起こしている可能性があります」(池袋大谷クリニック院長で呼吸器内科専門医の大谷義夫氏)

注意すべきは肺炎だけではない。たとえば、結核はすでに罹患する人が少ない病気だと思われがちだが、日本ではいまも年間1万人前後が発症している。結核は当初は乾いた咳が続き、数週間経つと次第に痰が絡む湿った咳へと変化していくのが特徴だ。同様に肺がんでも、咳に加えて痰に血が混じる血痰が出るという。

さらに警戒したほうがいいのは、息を吐くときに「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」と音が鳴る咳だ。それは気道が狭くなっているサインで、他の咳と同様にまず疑われるのは喘息だが、それだけではない。

「咳の原因として見逃せないのが、心不全です。心不全とは、血液を送り出すポンプの役割をしている心室の機能が低下した状態を指します。送り出せなくなった血液が肺の血管にたまり、内部の圧力が高まる。その結果、肺の組織などにしみ出した水分が気道の粘膜を刺激し、咳が出るのです」(北海道情報大学医療情報学部教授の佐藤浩樹氏)

風邪と見誤りやすい「マイコプラズマ」

心不全による咳の場合、階段を少し上るなど、動いた時に症状が出やすいのが見分けるポイントとなる。

「他にも、夜、横になると咳が出るといった症状は心不全のサインかもしれません。風邪だと思い放置しないことが重要です。また、咳に加えて強い呼吸困難や胸痛などの症状が出る場合、心筋梗塞の恐れがあります。救急医療を頼ることを考えてください」(佐藤氏)

息苦しさを伴う咳は、主に喫煙によって引き起こされる「慢性閉そく性疾患(COPD)」や、「ACO(ぜん息とCOPDの併発)」にも現れる。笑ったり冷たい空気を吸い込んだりするとせき込む場合は、これらの可能性が高いという。呼吸困難に陥ることもあるので、放置するのは避けたい。

咳のタイプから隠れた病気を見分ける方法を見てきたが、咳自体にはこれといった特徴がないのに、一度出はじめると止まらないタイプの咳もある。

「代表的なのが、マイコプラズマ感染症と百日咳です。マイコプラズマというと肺炎という印象がありますが、肺炎にならずにマイコプラズマ気管支炎で咳だけが長引いてしまう人がたくさんいます。出だすと止まらない、頑固な咳が特徴です。百日咳は、子どもの場合、笛が鳴るような咳ですが、大人は区別がむずかしい。しかも病名の通り、3ヵ月続くこともあります。こうした感染症をきっかけに、咳喘息になることもあるので、早めの治療が大切です」(前出の大谷氏)

専門医が教える「受診の目安」は

マイコプラズマ感染症や百日咳の咳は、夜間から早朝にかけて激しくなるのも特徴だ。この時間帯は炎症を抑える働きを持つホルモンの分泌量が最も少なくなるうえ、副交感神経が優位になって気管支が収縮しやすい。

さらに横になることで、のどや気道に分泌物がたまりやすくなる。眠っているあいだにせき込んで目が覚めるという人は、注意が必要だ。

咳がさまざまな病のサインであることはわかったが、そうは言っても、むせたときや花粉症でも咳は出るものだから、なかなか危機感を持ちにくい。では、受診する目安はあるのだろうか。

「私の場合、他に症状がなくても咳が2週間以上続いたら、医療機関を受診するように伝えています。そして、受診しても原因がわからない場合はレントゲンを撮ってもらってください。咳の原因が肺炎や肺がん、結核である可能性を除外しておく必要があるからです。健康診断で問題がなかったとしても、肺炎は1週間もあれば進行してしまうので油断は禁物です」(大谷氏)

ありふれた症状だからこそよく注意し、異変に気づいたら早めに対策を講じたい。

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「週刊現代」2026年9月14日号より

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