プレミアリーグでスターと呼べるのはハーランドだけ? スター選手獲得よりも若手獲得に高額な移籍金を払う傾向に
今夏の移籍市場を終え、プレミアリーグでエース級の存在感を放つ選手として、マンチェスター・シティ所属のFWアーリング・ハーランドが際立っている。『ESPN』が報じた。
ハーランドは今夏、トレードマークだった長いブロンドヘアを大胆にカット。その様子をSNSで公開すると、ノエル・ギャラガー氏やズラタン・イブラヒモビッチ氏、ジョゼップ・グアルディオラ氏らも驚きや笑いを見せた。SNSや自身のYouTubeチャンネルで公開された動画は大きな反響を呼んだ。
ワールドカップではバルセロナ所属のFWラミン・ヤマル、インテル・マイアミ所属のFWリオネル・メッシ、レアル・マドリードに所属するFWキリアン・ムバッペ、MFジュード・ベリンガム、そしてハーランドら世界的なスターが注目を集めた。そのなかで、現在プレミアリーグでプレイしているのはハーランドだけだ。
今夏にはリヴァプールでプレイしていたFWモハメド・サラーがトラブゾンスポルへ移籍し、トッテナムでプレイしていたFWソン・フンミンも前年夏にMLSへ移籍した。結果として、ハーランドのリーグ内におけるスター性はさらに際立っている。
監督にも同じことが言える。1992年のプレミアリーグ創設以降、アレックス・ファーガソン氏やアーセン・ベンゲル氏、グアルディオラ氏といったスーパースター監督が存在しないシーズンを迎えている。
それでも、プレミアリーグそのもののブランド力は揺らいでいない。
2024-25シーズンのプレミアリーグ全体の収益は80億9800万ユーロに達した。2位のブンデスリーガは43億ユーロ、3位のラ・リーガは41億ユーロであり、欧州主要リーグのなかでも大きな差をつけている。
また、プレミアリーグには特定の1クラブが支配する構図もない。パリ・サンジェルマンが君臨するフランス、バイエルン・ミュンヘンが優位に立つドイツ、レアル・マドリードとバルセロナの2強が形成されるスペインとは異なり、イングランドでは複数クラブが競争を続けている。
こうしたリーグ全体のブランド力こそ、プレミアリーグの強みだと専門家は指摘する。世界各地から注目を集め、選手のキャリアを飛躍させる舞台としても機能してきた。
さらに今夏、プレミアリーグのクラブは世界のどのリーグよりも多くの移籍金を費やした。イングランド1部全体の移籍金総額は34億6000万ポンドに達したが、その多くは一人のスターに集中するのではなく、チーム全体の質や選手層を高めるために使われた。
実際、今夏の高額移籍上位15件のうち11件はプレミアリーグ内のクラブ間移籍だった。海外からの大型補強でも、現在のスター選手より将来性を重視する傾向が強まっている。
データ分析の進化や財務規則の影響もあり、プレミアリーグのクラブはスター選手を集めるより、将来的な価値を見込んだ選手を獲得する方向へ変化している。かつてのように大物選手一人に大金を投じるスタイルは少なくなった。
その結果、選手だけでなく監督のスター性も薄れた現在のプレミアリーグでは、ハーランドの存在感がより大きくなっている。
もちろん、ハーランドにも選手としての“寿命”はある。しかし、スター選手が年齢を重ね、引退や移籍を迎えても、リーグのブランド力が失われるわけではないだろう。これからもプレミアリーグから目が離せない。

