芝浦自転車研究所が「いわゆる「生活道路」が一律30km/h制限に。クルマにも自転車にも大きな影響が!そこに隠れた大きな理由とは?」と題した動画を公開した。動画では、9月1日に施行された生活道路における最高速度30km/hへの引き下げについて、その定義や自転車への影響、そしてなぜ「30km/h」なのかという理由を、疋田智所長が詳しく解説している。

まず疋田氏は「生活道路」の定義について、「中央線や中央分離帯などがない比較的狭い道路」と説明。日本国内の一般道路のうち、標識や表示がない道路は約8割を占め、それらが今回の法改正の対象になると解説した。これまで標識がない生活道路の法定速度は60km/hだったが、今後はすべて30km/hに制限されることとなる。なお、中央線がある道路や、すでに40km/hなどの標識がある道路は、引き続きそのルールに従うという。

動画の後半では、世界各国でこの「30km/h」という数字が採用されている理由について深掘りしている。疋田氏は、WHOなどが発表した交通安全のガイドラインに掲載されている「致死率のグラフ」を根拠として提示。「30km/hまでなら致死率は1割未満」である一方、50km/hになると致死率が8割を超えるという衝撃的な事実を強調した。人間が動体視力や反射神経で対処でき、衝突時のダメージも抑えられる限界の速度が30km/hであるとし、「この30km/hから50km/hまでのスロープがミソなんです」と語った。

今回の法改正は、抜け道として生活道路を猛スピードで走り抜ける車への対策であると同時に、地域住民の安全を守るための重要な変更である。疋田氏は法改正の意図について「何にも標識がないところでは人間に人間に対処できる30km/hでよろというメッセージなんだな」と総括した。車だけでなく、30km/h以上の速度を出す可能性がある自転車のユーザーにとっても、自身の走行ルールを見直すきっかけとなる重要な知識となっている。

チャンネル情報

自転車ハカセ・自転車ツーキニストの疋田智です。デビュー作『自転車通勤で行こう』(WAVE出版・1999年)からはや四半世紀、ずーっと自転車のことばかりを考え続けて生きてきました。自転車関連の著書は約30冊、自ら発行するメールマガジンは1000号を超え「CYCLE SPORTS」誌をはじめ雑誌連載も色々と複数継続中です。