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広島県警は7日、採用面接で不採用とした人物を匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)に紹介したなどとして、広島市の女2人を再逮捕した。採用面接を犯罪組織への勧誘につなげていたとみられ、衝撃が広がっている。

トクリュウを支える「案件屋」とは 警視庁初摘発で見えた中枢の役割

所在国外移送誘拐未遂と職業安定法違反の疑いで再逮捕されたのは、建設会社代表の前原里帆(32)、元同社役員の松本佑香(30)両容疑者。採用面接で不採用とした人物に「稼げる仕事を紹介できる」などと声をかけ、トクリュウに紹介したという。いずれも容疑を否認しているとのことだが、両容疑者は先月も、同じ手口で1人を台湾に移送したとして逮捕されている。

近年、トクリュウをめぐる犯罪が社会問題化している。SNSや求人サイトで実行役を集め、強盗や特殊詐欺に加担させるのが特徴だ。メンバー同士のやり取りには秘匿性の高いアプリを使用しているため、組織内のつながりが把握しにくく、警察の捜査を困難にしている。

警察庁によれば、令和7年のトクリュウによるものとみられる資金獲得犯罪で検挙された人数は6679人。詐欺が約半数を占め、次いで薬物事犯、窃盗が多かった。年齢層別では20代前半が23.4%と最も多く、20代までの若年層が全体の約6割を占めていることも判明した。

今回の件で衝撃を与えているのは、通常の就職活動がトクリュウにつながったためだ。就職希望者が犯罪グループに紹介されてしまったことから、SNSには「もう誰も信用できない」といった不安の声が寄せられている。

警察庁は、正規の求人サイトに有害求人情報が掲載されているとして、公式サイトで注意喚起。「応募又は契約時に匿名性の高い通信アプリをインストールするように指示される」「本人だけではなく、家族、友人等の個人情報を執ように要求される」といった場合、連絡を続けずに警察へ相談するよう呼びかけた。

これまではSNSなどを通じた勧誘が知られていたが、手口が巧妙化していることが明らかになった。今後、求職者は求人を慎重に見極めることが求められそうだ。