主要閣僚の留任続々、入閣待ち議員やきもき…高市首相は「アンケート」と能力重視
近く実施される内閣改造で主要閣僚の留任が固まりつつあり、自民党内が残る閣僚ポストへの処遇を巡って気をもんでいる。
高市首相(自民総裁)が専門性や答弁能力を優先して登用する姿勢を鮮明にしているためだ。当選回数や派閥を重視する従来の手法とは一線を画しており、改造後の陣容が注目される。(井美奈子)
首相、アンケートと能力重視
「全てのアンケートを拝読し、党の豊富な人材力を実感した」
首相は8日の党役員会でこう述べ、内閣改造・党役員人事を前に党所属衆院議員に実施した役職希望アンケートを重視する考えを強調した。
アンケートでは、政府や党、国会での希望ポストを第5希望まで選ばせ、志望理由の記述欄も設けた。首相は8月下旬の締め切り以降、熟読しており、「個別議員の記述欄の内容まで頭に入っている」(政府高官)という熱の入れようだ。
閣僚人事を巡っては、かつては各派閥が入閣を要望する議員リストを首相側に提出するのが通例だった。ただ、派閥は政治資金問題を受け、麻生派を除いて解散し、2024年に改正した党のガバナンスコード(統治指針)には「政策集団はお金や人事から完全に決別する」と明記された。
一部の旧派閥や昨年の総裁選で首相を支持した議員の間では人事希望を取りまとめる動きもあるが、首相側は意に介していない。首相周辺は「当選回数や派閥などを気にせず、政策や実力で選ぶ」と説明する。アンケートでは、中堅・若手からも閣僚の希望があったという。留任が固まった主要閣僚も政策の継続性や高い実務能力が考慮されており、残るポストでも政策への理解や答弁能力の高さを基準に人事を進めるとみられる。
一方、党内では、衆院当選5回以上、参院当選3回以上で閣僚経験のない「入閣適齢期」の議員が全体の約2割にあたる約100人に上る。今年2月の衆院選での圧勝や、自民が政権を奪還した2012年の衆院選で初当選した議員が多いことが数を膨らませた。
順当に適齢期の議員を入閣させれば、来年の総裁選に向けて首相の党内基盤の安定につながるとの見方もある。ただ、首相は自身初の改造で「高市カラー」を前面に押し出したい考えで、適齢期の一人は「希望する閣僚ポストをアンケートに書いたが、難しいかもしれない」とやきもきしている。
焦点の林氏「首相の専権事項」
林総務相は8日の記者会見で、高市首相(自民党総裁)が実施する内閣改造・党役員人事について「首相の専権事項なので、何か申し上げることは控えたい」と述べた。今回の人事では昨年の総裁選で争った4人のうち3人の続投がほぼ固まる中、林氏の処遇が焦点となっている。
