「二度と酒を飲まない。運転しない」ロックバンド『エレカシ』ドラマーが飲酒運転事故で執行猶予判決
「家族に隠れて飲酒を重ねていた」
ロックバンド『エレファントカシマシ』のドラマーで道路交通法違反の罪に問われていた冨永義之被告(60)の公判が8月31日に東京地裁で開かれた。
「冨永被告は昨年10月4日に自宅の駐車場で飲酒し、自身の運転で仕事場に向かいました。午後1時ごろに江東区有明の路上で前方を走行する2輪車に接触する事故を起こし、その直前にもガードレールや看板に接触する様子がドライブレコーダーに記録されています。アルコール検査では呼気1リットルあたり0.84グラムのアルコールが検出され、かなり酔った状態でした」(全国紙司法担当記者)
接触事故が報道されることはなかったが、『株式会社elephants』は公式サイトで、
〈冨永義之が、酒気帯び運転による接触事故を起こし、道路交通法違反で検挙されるという事案が発生いたしました〉
と自ら公表し、謝罪。続けて、
〈この事態を重く受け止め、また本人の意向もあり、10月8日(水)に予定しております『俺と、友だち』下北沢SHELTER公演は開催いたしますが、同公演への冨永の出演は控えさせていただきます〉
と発表した。以降、冨永被告は活動休止状態だったが、この日、姿を見せ、事故当日の様子について語った。
冨永被告はグレーのスーツに黒のネクタイで出廷。神妙な面持ちで証言台に立った。裁判官から職業を問われ「バンドのドラマーです」と答え、起訴内容について「間違いありません」と認めた。
情状証人として出廷した内縁の妻は、
「お酒を好み、体を壊すことがありました。1ヵ月前の検査結果も良くなく、医師から禁酒するように言われていました。ストレスや個人的な心労が重なり、家族に隠れて飲酒を重ねていました」
と明かした。現在はクリニックの通院にも付き添い、「支えていく」と語っている。
次に冨永被告の被告人質問が行われた。弁護人から、今どのように思っているのか問われると、「被害者の方、関係者、家族、いろいろな方に迷惑をおかけして大変申し訳なく思っています」と謝罪。「私の出演が見送りとなり、(謹慎生活が)現在に至っています」と語り、被害者とは示談が成立しているという。二度と事故を起こさないために、
「もう二度とお酒を飲まない、車に乗らないことを約束します」
と反省の言葉を重ねた。
「自分の甘えから飲んだと思う」
ただ、検察からは厳しい質問が飛んでいる。冨永被告は、家族が心配するため自宅内で飲むことを避け、帰宅後の駐車場で飲酒するようになったという。検察は常習性を疑い、飲酒についての質問を繰り返した。以下、一問一答である。
検察「(事故当日)酔ってる感覚はありましたか?」
冨永被告「自分の中ではありませんでした」
検察「(運転したら)危ないと考えませんでしたか?」
冨永被告「自分のことで頭が回ってなかったと思います」
検察「職場に向かったんですよね?」
冨永被告「そのときは考えていませんでした」
検察「以前に飲酒運転をしたことは?」
冨永被告「初めてだと思います」
検察「(職場に向かうのに)なぜ飲酒をしたんですか?」
冨永被告「近い日程でコンサートがあり、自分の甘えから飲んだと思う」
次に裁判官からの質問が飛んだ。「コンサートが近いから飲んだというのはどういう意味ですか」と問われた冨永被告は、
「覚えないといけないことが多くて練習をしないといけないと思った」
と述べた。活動再開の希望はあるかと問われると「はい」と返答。「仕事をするとお酒を飲みたくなるのではないですか?」と聞かれると、
「もうお酒とは一切関係なく、自分で処理して活動していきたいと思います。自分の仕事に専念します。家族のことを考えて努力をしていきたいです」
と答えている。この日のうちに判決の言い渡しまで行われ、拘禁刑5ヵ月執行猶予3年が言い渡された。反省と再起を誓った冨永被告。アルコールを絶ち、再びステージに戻ってくることが一番の贖罪(しょくざい)かもしれない──。
