【質店に密着】スマホ&イヤホンで「5万円」?……千葉豪雨のレッカー費用に 質店に物を預けて“借金”する事情『every.気になる!』
物価高が続く中、品物を預けてお金を借りられる「質店」に密着しました。給料日までの生活費が足りなくなった20代、千葉の豪雨で被災した40代、中東情勢で打撃を受けた経営者…。お金を借りに来る人たちに、それぞれの事情や思いを聞きました。
■親孝行で…家族4人分の出費を負担

千葉・市川市にある全国チェーンの「質屋かんてい局 市川インター店」。20代の会社員が持ち込んだのは、プラチナのネックレスでした。この店では「質入れ」といい、持ち込んだものを預けて、査定額に応じてお金を借りることができます。
会社員
「初盆で出費が多かったので、家族4人分で10万円くらい使った」
夏休みに親孝行ができればと、父の故郷の新潟への交通費や食費など、家族4人分を全額負担したそう。この日、財布に入っていたのは1000円でした。1週間後の給料日までの生活費として、お金を借りに来たといいます。
数年前に買ったというプラチナのネックレス。その査定額はどうだったのでしょうか?
■ネックレスは「残しておきたい」

鑑定士は「ご融資が3万2000円です」と提示しました。近年、金をはじめとした貴金属の価格が上昇。プラチナの価格も3年前の倍以上になっています。
借りられるのは査定額の3万2000円まで。会社員は「じゃあ3万円でお願いします」と、3万円を借りました。「新しく買うと高いので、手元に残しておきたい。借りるのは必要分だけでいいかな」と話します。
原則3か月以内に借りた3万円と利息を返済すれば、プラチナのネックレスは手元に戻ります。返済の負担を考え、必要な分だけ借りることにしたということです。
■「とんでもない雨に巻き込まれた」

続いて、千葉市内に住むという40代の会社員に聞きました。
「先日の大雨の影響で、レッカー費用が必要になってしまって。カーシェアで借りていた車で、500円ぐらいのサービスに入ってなかったので実費になってしまった」
借りていた車が記録的な豪雨で水没。交差点付近で動かなくなり、レッカーでの運搬費用の約2万8000円が自己負担になりました。「いつもの雨と思って軽く行ったら、とんでもない雨に巻き込まれてしまった」
そこで、以前使っていたスマートフォンとワイヤレスイヤホンを質入れしました。「ご融資金額は5万円になります」と鑑定士。スマホは4万円、イヤホンには1万円の値がつきました。借りたお金で、車を無事にレッカー移動できたそうです。
このお店は、品物を担保にお金を借りられます。商品の買い取りもしていますが、多くのお客さんがこうした質入れを利用していました。
■運転資金のため私物の高級腕時計を

別の日、建設会社の経営者が店にやって来ました。持ち込んだのは高級腕時計。「中東情勢で打撃を受けていまして、未払いをくらってしまいまして」。建設資材が高騰し、さらに取引先からの未払いが続いているといいます。
会社の運転資金に充てるため、私物の高級腕時計を泣く泣く質入れ。去年、約300万円で買ったという中古の腕時計についた金額は150万円でした。
この経営者は「相場なのかなと。納得しています」。腕時計は大事なコレクションの1つだといいます。「必ず返済して受け取りに来る」と話していました。
■愛車のバイク、1年ぶりに手元に

店にはお金を借りに来る人だけでなく、預けた品を引き取りに来る人もいました。
「バイクの引き取りを…」と店を訪れた30代の男性は「大好きなバイクなので、手放したくなくて」と話します。
個人でフードデリバリーの配達員をしていて、配達用とプライベート用の2台のバイクを使い分けていたそうです。しかし困った事態に。「配達用バイクの修理が必要で、修理代が用意できなくて。プライベート用バイクを預けて、修理費用に充てたという形ですね」
去年の夏、配達用のバイクを修理するため、15万円を借りたといいます。しかしまとまったお金を用意できず、原則3か月の返済期限を、利息を支払いながら繰り返し延長してきたそうです。
■猛暑で配達増→収入UPで完済

そして、質入れから1年がたったこの夏。「夏になって売り上げが上がりました。やっぱり皆さん出歩きたくないんです」。男性によると、猛暑でフードデリバリーの利用が増え、売り上げも伸びたといいます。
ついに借りた15万円と利息を返済し、バイクを手元に戻すことができました。さっそくまたがり、「(1年前と)あまり変わらないです」と男性。この1週間後、1年ぶりのバイク旅行で静岡まで遊びに行ったということです。
(8月31日『news every.』より)