DEZERTが東名阪ホールツアー<DEZERT 15th ANNIVERSARY HALL TOUR 2026 “Welcome To My Beginning”>にて会場限定CD『Alternate4』をリリースする。同作品は千秋(Vo)、Miyako (G)、Sacchan (B)、SORA (Dr)がそれぞれ作曲した4曲(各曲Instrumental含む計8曲)を収録するなど、バンド初の試みとして届けられるものだ。

収録4曲にはメンバー個々の音楽的キャラクターや彩りが鮮やかに発揮されたと言っていい。という意味では、サウンドエリアを果てなく押し広げつつも、その奥底に脈打つのは紛れもない彼ら自身の血肉であり、15周年の新たなスタートを前に、変わらぬ本質と広がり続ける可能性を証明した仕上がりだ。

ホールツアー<Welcome To My Beginning>初日公演を間近に控えた4人に、日本武道館公演や47都道府県ツアーと幕張メッセ公演を経ての心境の変化、結成15周年を迎えての現在モード、そして会場限定CD『Alternate4』についてじっくりと語ってもらった12,000字超えのロングインタビューをお届けしたい。

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■9割9分9厘千秋くんが曲作りしてくれていたけど
■バンドのため全員が作曲することに何の異論もない

──バンド結成15周年を迎えて『DEZERT 15th ANNIVERSARY PROJECT』がスタートしていますので、改めて活動を振り返りながら、バンドの現在モードについて聞かせてもらえればと思っています。まずは5月より、過去のアルバム再現ライヴシリーズ<DEZERT LIVE TOUR 2026「study」>が開催されました。今回は東京での4公演に続いて、初めて名古屋と大阪を加えた全8公演でのツアーでした。作品としては近作『The Heart Tree』(2024年発表)までを振り返るツアーとなりましたが、手応えや感触はどうでしたか?

SORA:改めて、いろんなことがありすぎたバンドなので、それも含めて15周年はバンドを続けていく楽しさや、何のためにバンドを続けるのかについて…個人的には“人生”としてフォーカスしてるんです。曲たちがあるからバンドができるわけじゃないですか。それをライヴで演奏するから、僕もそうですけどファンの子の日々の活力にもなったりする。それがバンドだと思うんです。

──<study>ではそれを振り返ることもできますね。

SORA:過去の曲を演奏していると、その頃のことが無意識に思い出されるというか。今回のツアーは、“今の感性だとこう思う”と感じることが、これまでの<study>で一番濃かったです。今、演奏してみると“もっとこうできる”って当たり前なことを思える幸せというか。それを噛み締めながら最近はドラムを叩いてますね。

千秋(Vo)

──Sacchanはどうでしたか。

Sacchan:ライヴとしての感触は、普段のライヴと変わりないと言えば変わりないんですが、“サブタイトルに冠したアルバムを全部再現する”というコンセプトなので、とにかく曲数が多いし、毎日セットリストが全然違う。そういうところで、情けない話、昔なら余裕でできていたことが、少し歳もとってくると、思っている通りにできないことが増えてきてしまった感がありまして。その原因が、曲が多いからなのか、昔に比べて体も少し老いてきてしまっているからなのか。そういうのも含めて、自分のコンディションや体や脳みそと向き合うことが多かったのが正直なところかもしれないですね。<study>っていうタイトルでいうと、自分の中で勉強になるみたいなところがかなり強い公演だった印象があります、今回は特に。

──作品としては初期の作品から近作の『The Heart Tree』までを振り返るという、かなり幅広い内容のツアーでもあったので、いろいろ思うことはありそうですね。

Miyako:<study>は、東京では過去何回もやっているんですけど、いつも大変で苦戦するイメージというか。アルバムを全曲やるということで、普段やらない曲もセットリストに入ってくるし、さらに今回は『The Heart Tree』までやる内容だったので。でも、47都道府県ツアーを回って、その中で結構いろんな曲をやったから、わりと曲が体の中に入っていた感じもありました。そういう中で<study>だからできること、 例えば“セットリストをこういう流れでやってみよう”とか“リズムをこうとりながら演奏してみよう”とか、そういうことをスタジオで話しながら、みんなで新たな学びだったりを求めてやれたのは大きな経験になったんじゃないかなって思います。

Miyako (G)

──千秋さんはいかがでしたか。

千秋:ワンマンという限られた時間の中で、いろいろな曲ができる公演ではないけど、たくさんの人が来てくれる。それってめちゃくちゃ楽しいじゃないですか。こんな機会は他にないので、シンプルに“ありがとう”という感じ。まじでそれだけですよ。

──47都道府県の話も出ましたが、 2024年12月に武道館公演があり、2025年は47都道府県ツアーを行なって、そのファイナルに幕張メッセイベントホール公演がありと、ふたつのアリーナ公演を経て、ここからバンドとしてはどういうところ向かっていくのかなど、これからについての話はあったりするんですか。

千秋:僕的にはとにかく、音楽を言い訳にしたくないって思ったんです。幕張メッセが終わって思ったのは、人生というか、みんなでどうやって生きていくかで。ひとりで生きたかったらひとりで生きればいいし、俺はひとりで生きていけないので、メンバーがいてファンがいて。15年やって今思ったことが、昔を否定するわけじゃないけど、“今からどうやって生きていこうかな”ということにフォーカスしていて。

──それは千秋さんとしては、初めての感覚ですか。

千秋:うっすらと持っていたんですけど、気づきましたね。みんないろいろな事情があるじゃないですか。相手を尊重することと我儘を通すことのバランスを考えて、これが生きていくってことなのかなと思ったり。“何が幸せかな”とか“自分だけが幸せになることが幸せなのかい?”とか、哲学的なことをいろいろ考えたりしていて。それを含めた上で、どう他人と関わっていくか。音楽っていうツールを使ってるんだから、どう音楽と向き合うかがすごくテーマになっていますね。

Sacchan (B)

──それは、今回の会場限定CD『Alternate4』の内容にも通じてくるのかなと思うので、その話もしようかなと思うんですけれども。今回は4人それぞれが作曲した4曲を収録した作品となりました。DEZERTとしては初の試みですが、このタイミングでこの手法を取ったのはどういう思いからだったんですか。まずこの発起人は誰だったのかというところも含めて聞かせてください。

千秋:最初は…SORAくんじゃない?

SORA:そうですね。武道館や47都道府県ツアーや幕張メッセを含め、いろんなことをやってきて、僕も今、千秋が話したことと同じような、“どう生きていこうかな”という思いがあって。僕はずっと、やりたいことしかやりたくないっていう、子どもな考えを持ったままバンドを始めて、バンドしかしたくねえみたいな、本当にそれだけでやってきたので。いろいろなことがあった上でバンドを続けていく、その続け方を考えた時期だったんですけど。もう続けていくのが辛いと思った時期もあった中で、メンバーともいろんな話をして、さっき千秋も「音楽を言い訳にしたくない」と言ってましたけど、もっとちゃんと音楽と向き合わないと、と思う気持ちが強くなったんです。

──と言いますと?

SORA:DEZERTは千秋をメインコンポーザーに活動してきて。それは素晴らしいことですけど、“千秋が曲作るからいいか”みたいに甘えてた部分もあったと思うし。“じゃあ俺は違うことをやろう”とか、そういうことでバランスが取れたバンドだったと思うんです。でも音楽がしたくてバンドやってるのに、自分の所属しているバンドで自分の曲がないって寂しいなじゃないけど。曲を作ることで、見え方も変わるだろうし、千秋の気持ちとかステージに立ってる人の気持ちも分かって開花していくだろうし。僕も音楽人になりたいなっていう気持ちと、15周年だし、ちゃんとバンドしたいなっていう気持ちで、「みんなで曲作んねぇ?」って話をした気がします。

──それが具体的にいつ頃だったか覚えてますか?

SORA:今年4月の中旬ぐらいかな。幕張メッセが終わって、自分の精神を統一するためにじゃないけど、僕は海外に逃げたんですよ。海外の知らない街並みを歩いていると、いろんなところから音楽が聴こえてきて。 “こういう曲をDEZERTでやったらどうだろう”とか“こういう映像を作ったほうがいいな”とか、無意識にアイデアをメモしていて。“じゃあそれ、少しは自分でやれよ”と思って。

SORA (Dr)

──「4人それぞれで曲作ってみないか?」と提案したときの、メンバーからのリアクションはどうだったんですか。

SORA:ちゃんとバンドしたいって気持ちだったので、“いいんじゃない?”みたいな感じでしたね。

Sacchan:このバンドは今まで、9割9分9厘千秋くんが曲作りしてくれていたので、“おー”っていう話かもしれないけど。でも、みーちゃん(Miyako)だって今までのバンド歴で言えば、曲は当たり前に作れる人だし、SORA君も作れるし、僕もDEZERTで1~2曲自分の曲もあるし。だから、“なるほど、そういうのもやってみたいよね、そういえば”って、改めてそういう機会を思い出したくらいの感覚で。“いやいや、このバンドは千秋くんが曲を作らないと意味がないんだよ”っていう、そういう側面も少しはあったのかもしれないですけど、バンドは4人いるので、 誰の曲だから云々みたいなことはないし。みんなバンドのために曲作るっていうところで、 何の異論もないなと素直に思いました。

──そういう話が出てから、それぞれの曲作りが進んだのでしょうか?

Miyako:そうですね。ちょうど幕張メッセが終わったばかりで時間もあったから、各々が制作に向かったんだと思います。

──ちなみにMiyakoさんは何曲くらい作られたんですか?

Miyako:たしか5曲ですね。久しぶりの作曲でしたし、自分にとってもチャレンジングなことだったので。たとえば千秋くんの曲ってデモの段階から素晴らしいんですけど、自分がその中で書ける曲ってどういうものなんだろう?っていうところから始まって。せっかくならいろいろなタイプの曲を出したかったのでバリエーションをつけて、作りました。

──結構たくさん作られたんですね。SORAさんも?

SORA:みんなに聴かせたのは20曲くらいじゃないですかね。良い悪いは置いておいて。

千秋:僕は20~30曲じゃないですかね。

Sacchan:僕は2曲でしたね。

■羞恥心を捨ててデモを出したので
■野性味が強くなりました(笑)

──それが『Alternate4』へと繋がっていくんですね。

千秋:ただ誤解してほしくないのは、メンバーが作った/作ってないは正直どうでもいいんです。楽しければいい。僕が昔から言ってるのは、僕が曲を“作ってる”っていうより、“作らせてもらってる”ってことで。代表としてやらせてもらっている意識が強かったので。“みんなが作るの楽しいじゃん。俺が作れない曲作ってくれるでしょ?”みたいな。“むしろそれをアレンジさせてよ”みたいな気持ちだったので。今回の『Alternate4』でも、4人の意見でメロディも変わったし、作曲者が作ったメロディを俺が変えたし、アレンジも変えたし。それがバンドなんじゃないの? 今のDEZERTなんじゃないの?っていう。でも、俺ら世代は、誰が原曲を作ったとかにこだわるんですよね。そのこだわりも大事だけど、最終的には聴いてくれた人がどう思うかだから。これを逆手に取ろうと思って。『Alternate4』っていう“4人交互に”っていう意味合いのタイトルで。

──はい。

千秋:メンバーが曲を作るって、バンドマンなんだから当たり前やろって、他のバンドからしたら思うかもしれないんだけど。俺らからしたら当たり前じゃなかったんだから、あえてこれをプロモーションに使わせてくれよと。そうしたらファンはワクワクしてくれるだろうなっていうことだったんです。本来歌詞もそれぞれのメンバーが書くべきだとは思うんですけど、そこはメンバーが俺に任せてくれたから、責任持って書かせていただきつつ。せっかくいいものができたんだから、「各メンバー1曲ずつ作曲した計4曲収録の会場限定盤をリリースしたら面白くね?」って最終的に言ったのは僕で。

千秋(Vo)

──なるほど。

千秋:SORAくんは、「使われる/使われないは関係なしに一旦全員で曲を出してみていい?」ってアイデアを出してくれたんですよ。それはもちろんOKだし、いいものができたんだから形にしようよ、それを上手いことプロモーションとして使おうよ、ということなんです。だから、最初から『Alternate4』っていうテーマで、全員交互に4曲書いていこうなんてコンセプトはなかったんですけど、本当にシンプルな流れなんです。

──ちなみに4人ともデモは作り込む感じですか?

千秋:SORAくんは感覚のままというか、野性的というか。

Sacchan:新鮮です。

SORA:言い訳じゃないですけど、僕はドラマーなので。ギターは少し弾けるけど、コードとか理論をあまり知らないまま、暴走機関車のように突っ走ってきたんですよ。コロナ禍で作曲を学び出したので、他のメンバーに比べるとまだまだ。Sacchanは、もうそのまま音源化できるようなデモを上げてくるし、みーちゃんは性格が表れているような美しいデモを作ってくる。もちろん千秋もいつもどおりの素晴らしいデモを作ってくる。そういうデモが集まる選曲会があって、そこではその曲が良いか悪いかのみが判断される。ってなった時に、俺はデモのクオリティでは勝てないから、何かしらのフックを残すために“ラララ”で歌うとか、DEZERTにはなかった音楽をフィーチャーするとか。今回は羞恥心を捨ててデモ出ししたので、野性味が強くなりました(笑)。

Miyako (G)

──『Alternate4』について、1曲ずつお聞きしていこうと思いますが、まず1曲目となるのがSORAさん作曲による硬質なサウンドがダイナミックな「Welcome To The End」です。

SORA:これは、曲を作ってる期間に夢を見たんです。それが、MUCCのミヤさんにぶち切れられる夢で、それも「曲を書いてるのはいいけど、そこにお前の良さがねぇ!」「お前の好きな音楽を、その初期衝動をすべて入れろ」って胸ぐら掴まれるレベルで怒られた夢だったんですよね。それで、こういう曲を作ろうと思ってギターリフから作って。 「ローテンポで重いDEZERTらしい曲を、今の俺らでやったらどうなるか?ってところで作った」ということをメンバーにも伝えて。「もっとこうしたほうがいいんじゃない?」っていうディスカッションをしながら、千秋を中心にアレンジしてくれた曲ですね。

──歌詞は全曲千秋さんです。「Welcome To The End」というタイトル自体意味深ですが、どういうイメージで書いていきましたか。

千秋:僕からしたら結構タイトルがエモい。誰にも伝わらないことをやるこだわりって大事だと思ってて。“終わりへようこそ”ってどういうこと?みたいな。僕らは僕らでいろいろ大変な時期があって。これがファンに伝わろうが伝わらなかろうが、別にいいかなみたいなところなんです。今って、バンドのいろいろな内情が露わになることが多いですよね?

──SNSの影響も大きいです。

千秋:そう。でも、バンドの内情とかを俺らがわざわざ語る必要ないんじゃない?って思うんです。俺らはいろいろあって、一回終わって、もう一回始まるんだっていう。それは5年後、10年後、誰かが語り継げばいいし、“今は思うことを形にしよう。伝わらなくてもそれがバンドでしょ”と。今、恋してるんだったら恋の歌えばいいし、それでいいんじゃねみたいな。

──そういう思いがあるなか、“これからが本番だ、これからが人生だ”っていう言葉は強く響きます。

千秋:これからが本番ですからね。うちの親とかも悩んでいるんですよね、やっぱり。60歳超えても。俺はまだその歳になってないからわからないですけど、幾つになっても“これからが本番じゃねぇ?”って思うんですよ。親は離婚してるんですけど、やっぱり孤独じゃないですか。俺らだってもしかしたら来年、不慮の事故とかで死ぬかもしれないし、そんなのはわかんないんだから。常に“これからが本番じゃねぇ?”って。10代の子が聴いて、“そうだな頑張ろう”と思ってくれたら嬉しいし、20代でも何歳でも思ってくれたら嬉しい。音楽に支えられてきたんで、僕は。僕らの音楽を聴いて、 “DEZERTが「これからが本番」って言ってるんだから、明日から頑張ろう”と思ってくれたら本望ですね。

Sacchan (B)

──そして「TOXIC」はSacchan作曲です。グランジの香りもしつつ、バンドのグルーヴを感じる曲となりました。

Sacchan:「みんなで曲を作ってみようぜ」ってなったのが今年4月だとして。これまでアレンジとか音質に対してはずっと向き合ってきてるつもりでいるんですけど、“0から1”でDEZERTの音楽を作ることに対しては、ブランクがあるなと思って。どうしようかなと自分なりに作り方だったりを模索をしているなかで、別にテーマがあったわけでもなく、何もなく作ってみようかな、みたいなところでしかなかったので。何かをイメージしてとか、特に理由があってこういう曲調になったとかもなくて。DEZERTのメンバーの僕が自然に一回作ってみた、くらいなテンションでしたね。

──ヘヴィなところから、抜けのあるサビへと駆け抜けていくアレンジが印象的ですが、このメロディについてはどうですか。

Sacchan:サビも結構変わってるんですよ。これも千秋くんが、アレンジもサビメロもつけ直してくれたり。デモ段階からサビは結構抜け感があるイメージではあったので。それを改めてブラッシュアップしてくれた感じですかね。

──千秋さんと会話しながら?

Sacchan:いや。千秋くんとみーちゃんが、「キーとかを気にしはじめるといろいろ制限が出くるよね。“本当はこういうメロディしたかったのに”とかがあると、せっかくメンバーが作ったのに面白くなくなるから。キーは気にせず、とにかくできたものを出してみよう」みたいな話をしてるのを僕が隣にいて聞いてたんですよ。で、“なるほどね、一回出してみようかな”と思った曲が、キーがめちゃくちゃ高かった(笑)。今とはまた別のメロディだったんですけどね。「キーは気にしない」とは言ってたものの、“これ千秋くん歌うってやばいよな”と思いながら、“まぁでも「出してみろ」って言ってたしな”と。

SORA (Dr)

千秋: あれは俺じゃなくても、マイケル・ジャクソンも歌えない。全人類歌えないって(笑)。

Sacchan:で、どうすっかなと思って。千秋くんが「サビのアレンジし直してみていい?」ってやってくれたら、もっとよくなったので。嬉しかったですね。すごくよくなりました。

千秋:今でもキーは高いんですよ。でもそのさらに上をいってたんで。「キーは気にせず」とは言ってみたものの、“やりすぎだろ”と思って(笑)。

──サビの明るいくらいの抜け感と毒っぽさ満載の歌詞とのコントラストは、意識的なところもありますか。

千秋:もちろんですね。毒々しい紫みたいなイメージの曲だったので、最初からタイトルは「TOXIC」と決めてて、歌詞はそこから考えました。サビでタイトルを言うみたいなのは、DEZERTではあまりないので、新しいチャレンジとして一回やってみようか、みたいな。

──「TOXIC」はミュージックビデオを制作しているそうですが、どういう内容になりそうですか。

千秋:まさに昨日撮影したんですけど、すごかったですよ。1日中クーラーの効いてない倉庫で“あーだこーだ”言うて、SORAくんがやってて。“なんか大変そう”と思いながらやったよね。

SORA:この曲でMVを作るって決まった瞬間に閃いたイメージを全部言語化して、絵にして、動画にもして、チーム全体に見せて。たぶんお化けがいる現場だったんでしょうね。撮影終わってから動けなくて。さっきまでソファーで死んでました。心なしか目の下にクマもある気がしてる。

千秋:やつれてるよね。

SORA:まあ、作品としてはいろいろな意味での毒々しいものを作りたいっていうのがあったので。昨今は誰でもMVが作れちゃうくらい、いろんな技術が発達してますよね。AIもそうですし、カメラワークとして揺らしたりとかも編集で余裕でできちゃう。これをあえて古臭く、全部人力でやった作品ですね。メンバーの表情を照明器具で照らしすぎて潰さないように、自然光を使ったり。壁とかもメンバー全員で作ったり、遊び心も入れつつ。“攻撃的なDEZERTも忘れんじゃねぇぞ”と。メンバーにも、「信じられないくらい頭振ってください」ってお願いして。まぁ呪われて帰ってきましたけどね(笑)。

■「「音楽」」はホールでやりたいと思ってた
■これを壮大にできないと、バンド終わるかな

──そして3曲目が千秋さんによる、皮肉も毒もたっぷりのニューウェーブな曲「鬱鬱鬱」です。

千秋:これは10数年前に作ったデモと歌詞をそのまま引っ張り出してきたんです。“マジで今、これは言えないよな”って。いい大人が、“マジ今日鬱だわー”とか言えないじゃないですか。でも10数年前は思ってたんですよね、“マジ鬱だわ、鬱1個じゃ足りねぇわ”みたいに。だから初期DEZERTのままっていう。あの時使われなかっただけで、一度世に出したかったんです、“今、新しいんじゃないか?”って。でもレコーディングはちょっと恥ずかしかったですけどね。一回、メンバーに「タイトルこれでいいのかな?」って一応聞いたら、「いいんじゃない?」って。ちょっと恥ずかしかったけど、これも人間の本心だろうと。たとえば、めちゃくちゃ気分が乗らない日に、もしインタビューの仕事あったら、“誰か代わってくれないかな、私と”とか思いませんか?

──ありますね、そういうとき。

千秋:という気持ちでしたね。

──10数年前に書いた曲をあえて今やる発見や面白さもありそうですが、その辺りはどうですか。

千秋:僕は10数年前のデモを聴いてワクッとしたんですよ。“そのワクっとしたってこと、それだけでいいじゃん”と。で、デモで出してみようかなと思って出してみたら、案外メンバーが「これいいじゃん!」となって。僕としてはあまり自信作じゃなくて、“笑ってくれ”くらいの体で出してたんですけど。

Sacchan:千秋くんは「恥ずかしい」って言うんですけど、DEZERTの側面のひとつとして、僕は当たり前にあるもんだっていう感覚。なんでそんな恥ずかしいの?みたいなのはありましたけどね。

Miyako:千秋くんの作る楽曲…特にこういう千秋節の楽曲って、自分では思いつかないギターがたくさん入っているので、解析していて面白いというか。で、千秋くんも千秋くんでちゃんと意図があっていろんなフレーズを入れてるから、やっぱりすごく面白い。「鬱鬱鬱」は、千秋くんが何十曲とデモを出してくれた中で、結構好きな部類に入ってたんです。千秋くんにも「「鬱鬱鬱」、いいよね」と言った記憶もあって。そもそもこういう曲って俺には作れないし。それこそSacchanもSORAくんも作れないだろうし、千秋くんにしか作れないDEZERTのすごく大事なひとつ。DEZERTを作り上げてきたタイプの曲だと思うので、俺は結構推し曲でしたね。

千秋:うん。『The Heart Tree』だったり「「音楽」」だったりで、いろんなことを言った上で、“最終的にこれ言うんだ!?”っていう恥ずかしさよ(笑)。思ってることだからいいんだけど。

──ただ、この曲では《死にたい》という連呼の後に《生きたい》っていう言葉が出てきますよね。その言葉が強く映えるなと思います。

Sacchan:そこだけ変わったんじゃなかったっけ?

千秋:デモではずっと《死にたい》でした。さすがに生きようかっていう、それだけでしたね。

Sacchan:やっぱそこは15年経つとね。

──そして4曲目が、Miyakoさんによる「Elama.」。繊細で壮大な美しい曲で作品を締めくくります。

千秋:育ちがいいからね、みーちゃんは。クラシック育ちだから。アレンジはほぼデモ通りだし。

Miyako:自分が音楽に触れたのがピアノで。昔からクラシカルな曲が好きで、そういう要素が入った曲を作ってみようかなっていうので作り出したのが、この曲です。最初オケが完成したときはギターも入ってない状態だったんですね。チェロとバイオリン、コントラバス、ピアノ、あと効果音で一旦完成させて。最後にその楽曲のイメージを頭に浮かべながらギターを入れるっていう、自分の中でも珍しいパターンで作った曲で。ギターが入ってない状態のときは、“これはちょっとDEZERTっぽくはないな”って不安になっていたんですけど。でも、いろいろ作った5曲の中の1曲だったし 、“こういうの作りましたよ”っていう曲だったから。そうしたら意外とメンバーが「いいね」と言ってくれて。それで、今回のMiyako曲として選ばれた感じになりました。

──イメージしていた世界観はあったんですか。

Miyako:人それぞれだとは思うんですけど、今まで生きてきた中でのそれぞれの景色だったり、何かが見える音楽になったらいいなと思ってます。

──静謐ななかでゆっくりと息を吹き返していくのを感じる曲だなと思いましたが、千秋さんはこの曲にどういう歌詞を書いていくのか、すぐにイメージできましたか?

千秋:そうでもなかったですね。冒頭の“どう生きていくか”っていうところには、まだ達してなかったんで。そこに持っていくために歌詞を作ってて、 “生きてればいいか。でもどういう意味なんだろう”って自問自答するみたいな。この会場限定盤だけじゃなくて、次のアルバムのきっかけになるテーマなんですけど。宮崎駿じゃないけど、“君たちはどう生きていくか”みたいな感じになって。人には言えないけど、俺らもどう生きるかで模索している数ヶ月だったので。この歌詞は、どう生きていこうかっていうテーマにしようかと思ったきっかけでもありますね。

──タイトル「Elama.」はフィンランド語で、まさに命とか人生とか生き方を意味する言葉ですね。DEZERTがこういう言語でのタイトルを持ってくるのも珍しいのでは。

千秋:そうですね。これはメンバーの曲じゃないとつけられないなと。なんか北欧の言葉を使ってみたくて、調べていて“この単語美しいな”と思ったんですよね。

──この『Alternate4』で湧き上がったものが、来たるアルバムにどうつながっていくのか期待しています。現在は、『DEZERT 15th ANNIVERSARY PROJECT』が立ち上がって、“15周年にかけて15個をやる”ということで進行中ですが、まだまだ序盤ですね。これからまた何が出てくるのかなっていうのが楽しみではあるんですけども。

千秋:“見切り発車しようぜ”って感じで始まったけど、“ヤバいな”ってなってますね、みんな(笑)。15周年ということに関しては、ファンへの感謝にファーストプライオリティを置いて。これから知ってもらう人へのアプローチも含めて、プロモーションも含めて、うまいこと使おうぜ、みたいな感じではあるんですけど。みんな楽しいじゃん、みたいな。

SORA:あと残りが9個ぐらいですか? 本当に決まってないんですよ。だから限界がきたら、本当にしょうもないことを1個にしちゃう可能性もありますよね。

Sacchan:まず、絶対15個やるなんて言ってないし(笑)。

SORA:でも、おもろいことはしたいので。

──9月にはホールツアー<Welcome To My Beginning>がスタートして、11月からライヴハウスツアーへと続いていきます。今作『Alternate4』 の1曲目が「Welcome To The End」から、ツアー<Welcome To My Beginning>へと、終わりとはじまりが並びます。どういうツアーになりそうですか。

千秋:あんまり深くは考えていなくて。ファンには言ってるんですけど、本来は8月とかにアルバム出してるんだろうなっていう……じゃないととおかしいでしょって話で(笑)。もともとホールツアーは、1年ぐらい前に決まっていたものなので。“ホールツアーしようぜ、楽しもうぜ”って感じで、あんまり深く考えてないですね。来てくれた人がワクワクする場所だったらいいし。

──15周年らしい内容になったりするんですか。

千秋:15周年だからベストな選曲で、とかなくて。この会場限定盤の4曲プラス今思うベストを組むんじゃないのかな。ただ、「「音楽」」はやりますね。「「音楽」」はホールでやりたいと思っていたので、絶対やる。

──2月にリリースした「「音楽」」には、特別な思いがあると。

千秋:これはね、むずいんです。俺が思ってるものとメンバーが思ってるものが格段に違う時期だったと思うので。それをどう昇華していくかは、バンドの力なのかなって思いますね。俺、たぶん結構ロマンチストなんだなと思ったんですよ。行ったことはないですけど、女性をきれいな夜景が見えるところに連れて行ったら喜ぶと思ってるタイプの男なんです。でも、みんなそんなことないじゃないですか。「何? キザすぎてキモいんだけど」みたいな反応だってあるじゃないですか。

──「「音楽」」はどちらです?

千秋:僕は「「音楽」」をロマンチストに考えてて、曲はファンに向けてというより、現状のDEZERTのために俺が書いたもので。「「音楽」」作った当時は、みんなそれぞれ精一杯でアップアップな状態で、ロマンチックな言葉が伝わらないイメージがあったんです。だから次、ホールツアーでやるとき“どう思うんだろう”とすごく楽しみで。めちゃくちゃ進化する曲だし歌える曲でもあるし、これを壮大にできないと、うちのバンド、結構終わるかなっていう。それぞれ「「音楽」」っていうものを考えて、どう表現するのか。ひとつにならなくたっていいんですよ。それぞれ「「音楽」」に想いがあって、表現できればより良くなるんじゃないかなと思いながら、今、思いを馳せてますね。

取材・文◎吉羽さおり
撮影◎Megumi Iritani (LIVE)

 

■会場限定CD『Alternate4』
2026年9月12日(土)リリース
【会場限定CD】CRC-1935 2,200円(税込)
※ホールツアー<DEZERT 15th ANNIVERSARY HALL TOUR 2026 “Welcome To My Beginning”>
東名阪3会場にて販売
▼CD収録内容
1.Welcome To The End (作詞:イチノセチアキ 作曲:SORA)
2.TOXIC (作詞:イチノセチアキ 作曲:Sacchan)
3.鬱鬱鬱 (作詞:イチノセチアキ 作曲:イチノセチアキ)
4.Elama. (作詞:イチノセチアキ 作曲:Miyako)
5.Welcome To The End (Instrumental)
6.TOXIC (Instrumental)
7.鬱鬱鬱 (Instrumental)
8.Elama. (Instrumental)

●購入者限定企画
▼開演前購入者限定!「メンバー舞台挨拶」
・開演前に各会場にて会場限定CD「Alternate4」をご購入いただいたお客様は、終演後にそのまま「メンバー舞台挨拶」にご参加いただけます。
・当日の参加方法については、追ってご案内させていただきます。
・舞台挨拶を含め、本ホールツアーの公演は20:00前後の終了を予定しております。
※当日の進行状況によって、終了時間が変更になる場合がございます。 あらかじめご了承ください。
※ご参加は、ご購入いただいた会場においてのみ可能です。
▼購入者特典「トレーディングカード」プレゼント
・会場限定CD「Alternate4」を会場でご購入いただいたお客様に、CD1枚につきトレーディングカード 1枚を購入時にプレゼントいたします。
※大阪5種、名古屋5種、東京5種の全15種。
※各会場、全5種の中からランダムで1枚お渡しいたします。

 

■デジタルシングル「Welcome To The End / TOXIC」
2026年9月2日(水)配信開始
配信リンク:https://lnk.to/WelcomeToTheEnd

 

■メジャー2ndアルバム『DEZERT』
2026年10月28日(水)リリース

【最強盤(3CD+Blu-ray / 4枚組)
CRCP-40718/20 ¥13,200(税込 / ¥12,000 税抜)
▼CD DISC-1
01.Welcome To The End
02.空が青く燃えてる
03.「無修正。」
04.Talking
05.メランコリアトレイン
06.亡霊ドッペルランデヴー
07.Elama.
08.My Unhappy Life
09.スーサイドヘヴン
10.「火花」
▼CD DISC-2
11.「音楽」
12.TOXIC
13.Live Future
14.Swimming
15.オーディナリー
16.春光の詩
17.鬱鬱鬱
18.Dani, Dani, Go! Go!
19.春夏秋冬
20.生きてゆこうね
▼CD DISC-3
㊙ボーナストラックを収録
▼Blu-ray
・ライブ映像 <DEZERT 47 AREA ONEMAN TOUR GRAND FINAL「僕らの音楽について」>
 2026.3.20 (金祝) 幕張メッセイベントホール (全22曲 / 約148分)
・ドキュメンタリー映像 / 僕らの“音楽”について ~終わらない葛藤の先へ~ (約60分)

【通常盤 (2CD+M-CARD)】
CRCP-40721/22 ¥6,600(税込 / ¥6,000 税抜)
▼CD DISC-1 ※最強盤と同内容
01.Welcome To The End
02.空が青く燃えてる
03.「無修正。」
04.Talking
05.メランコリアトレイン
06.亡霊ドッペルランデヴー
07.Elama.
08.My Unhappy Life
09.スーサイドヘヴン
10.「火花」
▼CD DISC-2 ※最強盤と同内容
11.「音楽」
12.TOXIC
13.Live Future
14.Swimming
15.オーディナリー
16.春光の詩
17.鬱鬱鬱
18.Dani, Dani, Go! Go!
19.春夏秋冬
20.生きてゆこうね
▼M-CARD
・ライブ映像 <DEZERT 47 AREA ONEMAN TOUR GRAND FINAL「僕らの音楽について」>
 2026.3.20(金祝) 幕張メッセイベントホール (全22曲/約148分)

  

■アルバム『DEZERT』リリースイベント・スケジュール
10月17日(土) 東京都内某所
10月18日(日) 東京都内某所
10月29日(木) 東京都内某所
11月03日(火祝) 東京都内某所
11月20日(金) 北海道・札幌市内某所
11月22日(日) 宮城・仙台市内某所
11月27日(金) 福岡・福岡市内某所
12月04日(金) 大阪・大阪市内某所
12月11日(金) 愛知・名古屋市内某所
※詳細は後日発表

 

◾️<DEZERT 15th ANNIVERSARY HALL TOUR 2026 “Welcome To My Beginning”>
【大阪公演】
9月12日(土) NHK大阪ホール
open16:45 / start17:30
【名古屋公演】
9月19日(土) Niterra日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
open16:45 / start17:30
【東京公演】
9月27日(日) Kanadevia Hall (TOKYO DOME CITY HALL)
open16:30 / start17:30
▼チケット
全席指定 ¥7,700(税込)
※東京公演のみ入場時ドリンク代別途必要
※営利目的の転売禁止
※3歳未満入場不可(3歳以上要チケット)
詳細:https://linktr.ee/DEZERT_HALLTOUR2026

 

◾️<DEZERT 15th ANNIVERSARY LIVE HOUSE TOUR 2026「生きてゆこうね」>
11月01日(日) 神奈川・川崎CLUB CITTA’
11月07日(土) 新潟 LOTS
11月14日(土) 長野 CLUB JUNK BOX
11月15日(日) 石川・金沢EIGHT HALL
11月21日(土) 北海道・札幌ペニーレーン24
11月23日(月祝) 宮城・仙台Rensa
11月28日(土) 福岡 DRUM LOGOS
11月29日(日) 岡山 YEBISU YA PRO
12月05日(土) 大阪・GORILLA HALL OSAKA
12月06日(日) 大阪・GORILLA HALL OSAKA
12月12日(土) 愛知・名古屋ダイアモンドホール
12月13日(日) 静岡 LIVE ROXY
▼チケット
スタンディング ¥7,000(税込)
※3歳未満入場不可(3歳以上要チケット)
※営利目的の転売禁止
※別途ドリンク代必要
【ひまわり会 最速先行受付(抽選)】
受付期間:9月2日(水)20:00~9月8日(火)23:00
受付URL:https://www.dezert.jp/feature/livehousetour2026
※1人1公演につき4枚まで(同行者は非会員でも申込可)
※ローソンチケットによるスマチケWEB抽選受付

■<DEZERT 15th ANNIVERSARY LIVE HOUSE TOUR 2026 “生きてゆこうね” -X’MAS EDITION->
12月25日(金) 東京・EX THEATER ROPPONGI
※詳細後日発表

 

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