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 ヤクルト・石川雅規投手(46)が今季限りで現役を引退することが1日、分かった。近く会見を開く。1メートル67と小柄ながら、24年連続勝利のプロ野球記録をつくった「小さな大投手」。ヤクルト一筋25年間で現役最多の通算188勝を積み上げた。現役最年長46歳の今季は、1試合の登板に終わっていた。ファンに愛され、若手の見本になっていた左腕がユニホームを脱ぐ。

 プロ入り時の会見で石川は「僕は小さな大投手になります」と宣言した。通算188勝。顔や雰囲気が似ていることから、サザエさんの国民的人気キャラ「カツオ」の愛称も定着した。石川は言葉にたがわぬ「小さな大投手」になった。

 24年連続勝利のプロ野球記録。1年目からはロジャー・クレメンス(ヤンキースなど)と並ぶ世界最長記録だ。青学大から入団し25年目。「まだまだ野球がうまくなるんじゃないか、という気持ちがある。毎日必死こいてもがいている」とあくなき探究心を語っていた。150キロを超える剛速球はなくても、伸びのある直球と「カツオカーブ」と呼ばれる90キロ台のスローカーブを駆使し、巧みな投球術で白星を重ねた。

 3月のJR九州戦で上半身のコンディション不良を訴え降板。実戦復帰は4月22日と出遅れた。「今までケガをしてこなかった分、いけるだろ」という思いで投げ続け、故障につながったという。現役最年長46歳でも「プロじゃないですよね」と反省し、夏場になっても2軍でもがく日々が続いた。ファーム生活ではひた向きに野球に向かう姿勢が若手の生きた教材になった。「200勝という目標があるので、しんどいことも頑張れる。肩肘ぶっ壊れるまで投げたい」と12勝に迫る大記録を目標としてきた。

 25年目の今季、1軍登板はキャリアで最も遅い8月27日だった。「この時期になっても1軍で投げていないというのは初めて。いろいろな覚悟を持ってやりたい」と巨人戦に臨んだが先頭から4連打を浴びるなど1/3回を6失点で降板。左肩痛も発症し、28日に出場選手登録を抹消された。

 1メートル67と小柄ながらプロの世界を生き抜いた。「大きいやつには負けたくない。“うらやましいな”とは思うけど、自分の体は自分しか知らないし、どう使って投げていくか」と力に変えた。生粋の負けず嫌い。投手としての記録だけでなく、打席でも1年目からでは単独2位となる24年連続安打につなげた。

 白髪は増えたが、野球少年のような笑顔は25年間変わらない。「いつかはやめなきゃいけない日は来る。思い切って、楽しみながら挑戦し続けたい」と話していた石川。小さな大投手が、マウンドに別れを告げる。

 《中日・山本昌は50歳1カ月で登板》通算219勝の山本昌(中)は15年10月7日広島戦で史上初の50代出場となる50歳1カ月での登板を果たし引退。野手では中嶋聡(日)がコーチ兼任捕手で46歳の15年までプレーした。他にも投手では50年浜崎真二(阪急)が49歳、10年工藤公康(西)が47歳、15年斎藤隆(楽)が45歳のシーズンで引退。野手では80年野村克也(西)、98年落合博満(日)、13年山崎武司(中)、15年谷繁元信(中)、22年福留孝介(中)が、いずれも45歳シーズンまで現役を続けた。

 ◇石川 雅規(いしかわ・まさのり)1980年(昭55)1月22日生まれ、秋田県出身の46歳。秋田商では3年夏に甲子園に出場し、2回戦で敗退。青学大時代に00年シドニー五輪出場。01年に自由獲得枠でヤクルトに入団し、02年に12勝を挙げて新人王に輝いた。08年には最優秀防御率を獲得した。開幕投手9度は球団歴代2位タイで、開幕戦5勝は球団最多。昨季は新人から24年連続勝利のプロ野球新記録を樹立した。1メートル67、73キロ。左投げ左打ち。