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東京・大手町のオフィス街にただすむ「将門塚」。平将門公を供養する場として長年にわたって地域の人たちに守られてきた石碑に、男性配信者がよじ登り、奇声を発する様子を動画配信し、SNSで批判が広がっている。

男性が8月19日に配信した動画には、夜間に将門塚を訪れ、石碑によじ登ったうえ、カメラに向かって奇声を発するなどの様子が映っていた。この行為に対し、SNSでは「絶対にダメ」「将門公のバチが当たるぞ」と批判が殺到した。

男性は8月21日、自身のXで「配慮を欠いた行為だったと深く反省しています」と謝罪。「不快な思いをされた方、関係者の皆様に申し訳ありませんでした」としたうえで、「今後は歴史や文化、信仰の場に対する敬意を忘れず、責任ある行動を心がけます」と投稿した。

また、男性が所属していた配信者団体「キッカーズ」は8月25日、公式サイトで、男性が在宅捜査中となっていることを発表している。

寺社や史跡などで、SNSへの投稿や動画配信を目的とした迷惑行為が問題となるケースは相次いでいる。

今回のように、供養や信仰の対象となっている場所で石碑によじ登る行為は、法的にどう評価されるのだろうか。

自身も僧侶で、宗教法人や寺に関する事案を手がける本間久雄弁護士に聞いた。

●将門塚での迷惑行為「礼拝所不敬罪」の可能性

──今回の行為について、どのような犯罪が成立する可能性がありますか。

刑法に、礼拝所不敬罪(刑法188条1項)があります。

「神祠、仏道、墓所その他の礼拝所に対し、公然と不敬な行為をした者は、6月以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金に処する」と定められています。

将門塚は「墓所」にあたると考えられます。

その石碑によじ登り、カメラに向かって奇声を発する行為をSNSで拡散する行為は、「公然と不敬な行為」に該当するものと言え、礼拝所不敬罪が成立する可能性があります。

●清掃・修理費だけでなく「無形的損害」の責任も

──ほかにも法的責任を問われる可能性はありますか。

民事で賠償請求される可能性があります。その項目としては、以下のようなものが考えられます。

・よじ登るなどの行為で石碑が汚損や毀損されたりした場合の清掃代や修繕代
・再発防止のために注意喚起の看板設置、防犯カメラの設置、警備員の配置などに要した費用
・問い合わせに対応するために要した神社の従業員の残業代等の人件費
・静謐(せいひつ)性・神域性が害されたことについての無形的損害

今回の行為は、将門塚を守ってきた方々に大きなショックを与えたと考えられます。

また、今回の行為に触発された人が各地の礼拝所で同様の不敬な行為をおこなうのではないかと危惧しております。

礼拝所は、多くの人の宗教感情、さまざまな強い思いが詰まった場所です。いかなる場合でも、悪ふざけをすべきではありません。

【取材協力弁護士】
本間 久雄(ほんま・ひさお)弁護士
平成20年弁護士登録。東京大学法学部卒業・慶應義塾大学法科大学院卒業。宗教法人及び僧侶・寺族関係者に関する事件を多数取り扱う。著書に「弁護士実務に効く 判例にみる宗教法人の法律問題」(第一法規)などがある。
事務所名:横浜関内法律事務所
事務所URL:https://jiinhoumu.com/