ある製薬企業の株価が、わずか1日で2倍以上に跳ね上がった。感染症対策の枠組みで語られてきた企業が、なぜここまで急激な評価の変化を遂げたのか。過去にも大きく買われた時期はあったものの、その後はいったん落ち着いていただけに、今回の動きは単なる一過性の材料ではなく、事業そのものの位置づけが変わりつつあることを示しているようにも映る。
 
実業家のマイキー佐野氏は、自身のYouTube動画にて、この急騰の背景をたどった。佐野氏によれば、同社の成り立ちには、既存の研究の延長ではなく、自然界の進化のメカニズムを企業のイノベーションに応用する学術的な考え方が関わっているという。限られた予算の中で分散投資を重ねるだけでは大きな飛躍が生まれにくいという発想のもと、遺伝情報を伝える物質の扱い方そのものを見直す研究が積み重ねられ、感染症対策の分野で広く知られる技術へとつながった経緯があるようだ。
 
その延長線上で今回注目を集めているのが、抗がん剤分野で存在感を持つ同業大手との提携だ。佐野氏は、患者ごとの細胞データから標的となる特徴を導き出し、免疫のブレーキを外す薬剤と組み合わせてがん細胞を狙い撃ちにする仕組みを紹介した。単独治療と比べて再発や転移のリスクを大きく抑えられたとする結果も示された形だ。さらに佐野氏は、この技術を印刷データを書き換えるだけで違う薬が生まれる仕組みにたとえ、成分ごとに巨大な製造設備を新設してきた従来の医薬品開発との違いを説明する。
 
提携の裏には、双方の事情も絡んでいた。新たな薬を世に出すには膨大な資金と審査への対応力が欠かせず、その後ろ盾を必要とする側と、主力薬の特許が今後期限を迎える側との間で、利害が一致した格好だ。感染症対策の枠を超え、患者ごとに設計を変えられる基盤技術として捉え直されている点が、株価の再評価につながっているとみられる。医薬品づくりが個別最適化と量産の両立という新しい段階に入りつつある今、業界の評価軸そのものが変わっていきそうだ。医療分野の変化を投資の視点で捉えたい人にとって、その転換点がどこにあるのかを考えさせられる内容だ。

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マイキー佐野です 経済・金融・投資・経営・最新の研究やニュースなど 様々なテーマについて、ズバズバ切り込んで話していきます~ 2021年より最新の学術理論、経営学、経済学、社会学を紹介するYouTube「マイキーの非道徳な社会学」を開始 現在はアカデミズム関係者・経営者・投資家・学生が参加するビジネススクールも運営