こちらは、ハッブル宇宙望遠鏡が2022年10月10日に観測した天王星の姿。「STIS(宇宙望遠鏡撮像分光器)」で取得した可視光線と紫外線のデータを使って作成されました。


【▲ ハッブル宇宙望遠鏡が2022年10月10日に観測した天王星。高層大気で発生したオーロラが捉えられている(Credit: ESA/Hubble, NASA, L. Lamy, L. Sromovsky)】

天王星の極を取り巻くように白く明るい極冠が広がり、その周囲にはうっすらとした環も写っています。天王星本体の左端と右端で青紫色に輝く雲のような光は、天王星の高層大気で発生したオーロラです。


オーロラの動きが教えてくれる意外なこと

惑星のオーロラは、その惑星の磁極付近に降り注ぐエネルギーの高い粒子によって上層大気に生じる発光現象です。磁極は惑星の内部構造と結びついているため、オーロラの動きを追うことで、惑星本体がどれくらいの速さで自転しているかを割り出すことができます。


地球とは違って地形の特徴を目印にできない天王星では、この方法が自転周期を知るための重要な手がかりになるのです。


天王星の自転周期はこれまで、1986年にNASA(アメリカ航空宇宙局)の探査機「ボイジャー2号(Voyager 2)」がフライバイした時の推定値に頼ってきました。しかし、この推定値をもとにした磁極の位置予測は年月とともにずれが蓄積し、長期間にわたって正確な位置を求めることが難しくなっていました。


10年以上の観測で明らかになった高精度な自転周期

2025年4月にパリ天文台/エクス=マルセイユ大学のLaurent Lamy氏を筆頭とする研究チームが発表した研究では、ハッブル宇宙望遠鏡が10年以上にわたって取得してきた天王星の紫外線オーロラの動きをもとに、天王星の自転周期が「17時間14分52秒」であると導き出されました。


「天王星」の正確な自転周期は17時間14分52秒 従来の値から28秒も修正(2025年4月13日)

これはボイジャー2号の観測データをもとにした推定値よりも28秒長く、精度は従来の1000倍に達したとされています。また、磁場が自転軸から大きくずれて傾いている天王星のオーロラは、地球、木星、土星のオーロラとは異なり、不規則で予測しづらい動きを見せることも示されています。


冒頭の画像はESA/Hubbleから2025年4月7日付で公開されたもので、ESAのハッブル宇宙望遠鏡公式Xアカウントが2026年8月20日に改めて紹介しています。


 


文/ソラノサキ 編集/sorae編集部


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