女優・鶴田真由が歩んできた役者人生「トレンディドラマで自分を見失ったワケ」

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役者人生の始まり

カメラを向けると、要望に応じて流れるように自然なポージング。質問をすれば、しばらく考えてからゆっくり丁寧に答える--。

女優の鶴田真由(56)は、表現の仕方を大切にする人なのだろう。取材に対してだけではない。どんな役柄でも、見る人が安心するような演技をする。NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』では謎めいた遊女屋の女将を好演し、8月25日放送のドラマ『さよならノワール』(フジテレビ系)で演じるのは堅いイメージの元国会議員だ。鶴田が語る。

「どんな役でも楽しくやらせていただいています。ただホラーが苦手なので、生々しく恐いのはちょっと難しいかな……」

彼女はどんな役者人生を歩んできたのだろう。本人の言葉で紹介したい。

「芸能事務所に入るキッカケは高校3年の時です。従兄が広告代理店に勤めていた縁で、グリコのCMにエキストラとして出演しました。当時、従兄の上司が、たまたま芸能事務所を開こうとしていた今の社長と知り合いだったんです。ちょうど『誰か事務所に入ってくれそうなコはいないかな?』と探していたタイミング。私は、その方の事務所に入ることになったんです」

鶴田は、ドラマ、映画、CMと精力的に仕事をこなす。女優としての転機が訪れたのは20代半ばだった。憧れていたトレンディドラマの出演やヒロイン役が決まったのだ。

「トレンディドラマへの出演やヒロインは、デビューしてからの目標だったので嬉しかったですね。一方で、目標を達成したことで本当にやりたいことはなんだったのかがわからなくなってしまった。自分を見失ってしまったんです。芝居やもの創りの本質に向き合わされた瞬間だったのだと思います」

背中を押され旅へ

鶴田は、モヤモヤとした気持ちを抱えたまま過ごしていた。そんな時、尊敬する女性スタイリストから、その後の行動の指針に繋がる助言をもらう。

「彼女はそのころ、インドを旅した時の話をしてくれていたんです。当時の悩める私は、今インドに行ったらいろいろなことが吸収できるかもしれないと思い『一緒に連れてってください』とお願いしました。すると彼女に『私を待たずに今行きなさい』と言われた。ただ、いきなりインド一人旅はハードルが高い。そこで、彼女も行ったことのあるという屋久島(鹿児島)へ行きました。

雄大で静かな屋久島の森を歩くと、今ある悩みも取るに足りないものだと思えました。

雨にぬれた森の木々の緑も、島の人々の優しさも『なんて美しいのだろう』と感じた。そこにもの創りや芝居の原点のようなものがあるのではないか、と思えたんです」

自分と向き合える旅の魅力を知った鶴田は、仕事が落ち着くと世界各地を旅するようになる。番組でパキスタン、アフガニスタンと2ヵ月のテント生活をしたこともあった。

「慌ただしい東京での生活に浸かっていると、どうしても視野が狭くなる。私にとって旅は、都会でズレてしまった感覚をリセットしてくれるような役割なのかもしれません。旅から得た知見がセリフの深みに繋がっていったらいいですね」

鶴田は、旅での貴重な体験を通じて演技力を高めている。

8月20日発売の『FRIDAY9月4日号』と有料版『FRIDAY GOLD』では、鶴田が大学時代の葛藤や旅へのこだわりを告白。デビュー直後の初々しい写真など独自画像も掲載している。

『FRIDAY』2026年9月4日号より