50歳で会社を自己都合退職した夫。「失業手当をもらいながら半年くらいゆっくりしたい」と言いますが、私は生活費が心配…。自己都合でも、退職後すぐに手当を受け取れるのでしょうか?
自己都合退職では失業手当を退職後すぐには受け取れない
失業手当の正式名称は、雇用保険の「基本手当」です。原則として、離職前2年間に雇用保険の被保険者だった期間が12ヶ月以上あることなどが受給条件となります。
条件を満たしていても、退職した翌日から失業手当が支給されるわけではありません。
退職後、会社から離職票を受け取り、住所を管轄するハローワークで求職の申し込みなどを行います。その後、まず7日間の「待期」があります。
さらに、正当な理由がなく自己都合で退職した場合、2025年4月1日以降の退職なら、7日間の待期後に原則1ヶ月の「給付制限」があります。給付制限とは、失業手当が支給されない期間です。
そのため、「退職したらすぐ失業手当が入る」と考えていると、生活費が不足する可能性があります。実際の振り込みには失業認定などの手続きも必要なため、退職直後の生活費は貯蓄などで準備しておく必要があります。
なお、過去5年間に正当な理由のない自己都合退職による受給資格決定が2回以上ある場合などは、給付制限が3ヶ月となるケースもあります。
50歳で自己都合退職した場合、失業手当は90~150日分
自己都合退職の場合、「50歳だから長期間受給できる」とは限りません。65歳未満で自己都合などにより退職した人の所定給付日数は、基本的に雇用保険の加入期間で決まります。
加入期間が10年未満なら90日、10年以上20年未満なら120日、20年以上なら150日です。例えば、50歳の夫が20年以上雇用保険に加入していた場合、所定給付日数は150日となります。
1日当たりの「基本手当日額」は、原則として退職前6ヶ月の賃金をもとに算出した「賃金日額」のおよそ50~80%です。また、年齢ごとに上限も設定されています。
仮に基本手当日額が7000円で、150日分受給できる場合、合計は105万円です。ただし、105万円がまとめて支払われるわけではありません。原則4週間に1回、ハローワークで失業認定を受け、認定された日数分が支給されます。
退職後の家計を考えるなら、受給日数だけでなく、1日当たりの金額も確認しておくことが重要でしょう。
「半年ゆっくり休みながら失業手当をもらう」ことはできる?
今回、特に注意したいのが「半年くらいゆっくりしたい」という点です。
失業手当は、退職後に休養するためのお金ではありません。受給するには、就職する積極的な意思と、いつでも就職できる能力があり、求職活動をしているにもかかわらず就職できない「失業の状態」にあることが必要です。
そのため、「半年間は働くつもりがなく、求職活動もしない」という場合は、基本的に失業手当を受給できません。
また、基本手当を受けられる期間は、離職日の翌日から1年間です。受給できる日数が残っていても、受給期間を過ぎれば原則として支給されません。
「まず半年休んで、その後に失業手当を満額もらえばよい」と考えると、受給できる期間が足りなくなる可能性があります。退職後に休養したいのであれば、失業手当を前提にせず、その期間の生活費を貯蓄でまかなえるか確認しておきましょう。
まとめ:退職前に失業手当と貯蓄で生活費をまかなえるか確認しよう
2025年4月1日以降に正当な理由なく自己都合退職した場合、失業手当には7日間の待期に加え、原則1ヶ月の給付制限があります。そのため、退職直後から失業手当だけで生活することはできません。
また、50歳で自己都合退職した場合、所定給付日数は雇用保険の加入期間に応じて90~150日です。さらに、求職活動をせず半年間ゆっくり休むことを目的として失業手当を受給することもできません。
退職前には毎月の生活費を確認し、失業手当が入らない期間を貯蓄で乗り切れるか計算しておくことが大切です。「何ヶ月なら無理なく休めるか」「いつから再就職を目指すか」を夫婦で話し合っておけば、退職後の生活も計画しやすくなるでしょう。
出典
厚生労働省 離職されたみなさまへ
厚生労働省 ハローワークインターネットサービス 基本手当について
厚生労働省 ハローワークインターネットサービス 基本手当の所定給付日数
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

